「インダストリアル」の原点

スロッビング・グリッスル『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』
発売中
スロッビング・グリッスル 20 ジャズ・ファンク・グレーツ
TGのカタログがデビュー40周年を記念して再発。昨今の「インダストリアル」再評価の機運を鑑みても格好のタイミングといえるだろう。セイント・ヴィンセントやホラーズの最新作しかり、あるいはアルカやOPNを盛り立てたUSアンダーグラウンドのエレクトロニック・ミュージックに至るまで、「インダストリアル」は2010年代以降を物語る重要なモードとして多くの音楽家のインスピレーションたり得てきた。もっとも、そのオリジネーターの一組に挙げられるTGのそれとは極めてアブノーマルな代物ながら、そこから抽出されたエキスは様々に形を変えていまに散見することができる。

本作は79年の3枚目。いわゆる“名盤”の評価を授かる一枚で、当時TGが掲げたスローガン「死の工場の音楽」そのままに禍々しい電子音とテープ・コラージュ、チープなリズム・ボックス/マシーン・ノイズ、そして気のふれたボイスが織りなすサウンドは改めて衝撃的。諧謔と実験の狭間で宙吊りされたエレ・ポップ、はたまた現代音楽の残骸が死屍累々と並ぶようなさまは比類ない。来年には未発表曲など集めたBOXセットも予定。(天井潤之介)
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