パンク・ロックと世界の編年史

グリーン・デイ『グレイテスト・ヒッツ:ゴッズ・フェイバリット・バンド』
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グリーン・デイ グレイテスト・ヒッツ:ゴッズ・フェイバリット・バンド
グリーン・デイにとって2枚目となるベスト盤だが、01年リリースの前作『インターナショナル・スーパーヒッツ!』とは、当然ながらその空気感は大きく異なる。『アメリカン・イディオット』(04年)&『21世紀のブレイクダウン』(09年)の2作品をグラミーに送り込み、『ウノ!』『ドス!』『トレ!』三部作(12年)のカオティックな時期を経て、自らのヒストリーすべてを対象化し克服した快盤『レボリューション・レディオ』へ……と続く足跡のすべてを計22曲に凝縮した1枚だ。

“2000 Light Years Away”“Longview”“Basket Case”など初期曲はもちろん、カントリー歌手:ミランダ・ランバートを迎えた“Ordinary World”新録版や“Back In The USA”といった最新曲群に至るまで、パンク・ロックという表現そのものを新次元へと導いてきた唯一無二の闘争史が(『アメリカン〜』から4曲選曲に対して三部作からは“Oh Love”1曲のみ、というリアリティも含めて)爆風の如く一気に押し寄せてくる。あまりにも痛快かつ壮絶な、グリーン・デイ・クロニクルがここにある。(高橋智樹)
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