『ほし』凄まじいぺースでライブの本数を重ねてきて、全国各地のライブを収録した『LIVE』や『トキメキLIVE!』もリリースしている曽我部恵一BAND……というように、ちょっと足跡を振り返っただけでも明らかなのは、彼らのキモはライブだということ。メンバー同士のフレーズとエネルギーの交わし合いによって、毎回のステージ上で楽曲を思いっきり輝かせることに全力を注いできた彼らが今回聴かせてくれる音も、「シンプルなようでいて切れ味抜群!」という、ライブ的な興奮とトキメキを届けてくれる仕上がりだ。タイトル曲“ほし”は、キラキラとロマンチック。簡素なバンド・サウンド、ポツリポツリと呟くように積み重ねられる歌が穏やかに展開してゆき、サビで瑞々しく想いを迸らせてゆく様は、聴きながら思わず駆け出したくなるくらいに美しい。≪きみのことを想うとき ぼくはいつも幸せになる≫、素朴だが強く心に沁みる一節を浮き彫りにするオーケストレーション、歌、メロディ、ハーモニー……あらゆるものが本当に素敵だ。彼らは現在2ndアルバムを制作中なのだそうだが、凄く楽しみになってきた。(田中大)