“All The Stars”はシザとの共演で、シザのボーカル・パフォーマンスがどこまでも素晴らしく映える名曲。エレクトロニックなグルーヴと軽快なビートとともに映画のテーマに絡めながらケンドリックとシザがそれぞれに愛と偽りについて解き明かす内容になっていて、早くも本年最高峰のシングルの一枚が登場したといっても過言ではない出来。
一方“King’s Dead”はケンドリックのレーベル仲間ジェイ・ロックが前半でイニシアティブを打ち出すトラックで、中盤でジェイムス・ブレイクのボーカルが登場するとそれがブレイクとなって転調し、そこからケンドリックが一気にたたみかける内容になっていてその迫力がとてつもない。ケンドリックは作中の敵役のエリック・キルモンガーになりきった歌詞を繰り出していて、その凄味は戦慄を伴う。(高見展)