コンスタントにリリースを重ねてきたCzecho No Republicだが、アルバムのリリースは約1年8ヶ月ぶり。昨年リリースされたのはSKY-HIとのコライトシングル『タイムトラベリング』だけ、という流れからもわかるように、自分たち自身を見つめ直し、その可能性を広げようとしてきた期間だったのだろう。元々、コアにもマスにも幅広く愛されてきたバンドだが、今作は、さらに「その先」へ進んだことが伝わってくる。

特に歌詞はワクワクするような少年性に、ドキッとするような本音を織り交ぜた、オリジナリティ溢れる仕上がり。《好奇心は魔物なんだ／僕を食い散らかして／ニヤニヤニヤニヤ笑ってるけど／でもなんだろ心地がいいな》（“好奇心”）、《一度きりの人生なんて言われても／ピンと来ない／だけど毎秒死に向かってると思うと／ちょっと引くよね》（“ザナドゥ”）――ネガティブもポジティブも、その真ん中も、「今感」を持って響いてくる。サウンドも、そことリンクするように、緻密さだけではなく、遊び心が見える。エッジをポップに昇華した、彼らにしか生み出せないアルバムだ。（高橋美穂）