打って出たモダン・ポップ作

チャーチズ『ラヴ・イズ・デッド』
発売中
ALBUM
チャーチズ ラヴ・イズ・デッド

3作目となる3年ぶりのニュー・アルバム。その最大のトピックは、初となる外部プロデューサーとしてグレッグ・カースティンが起用されていること。グレッグ・カースティンと言えばご存知アデルの『25』をはじめ、昨年はベックやフー・ファイターズのプロデュースでロック・ファンの視線を集めた当代きっての敏腕。他にも世界的なヒット作を手がけるトップ・エンジニアを制作に迎えた今作は、ローレン・メイベリーが自負するとおり「これまでで最もポップな作品」と言って間違いない。ただし、その“ポップ”が意味するところはこれまでとは全くスケールが異なる、はずだ。

端的に言えば、プロダクションとビートが格段にソフィストケイトされている。それはつまり、R&Bやヒップホップが牽引する現在のメインストリームのポップ・ミュージックの流れを踏まえた、これまでのDIYなインディ・ロック的スタイルの大胆なモダナイズ。ライブ・ドラムを積極的に取り入れるなどして「バンド感」は活かしつつも、低音は太くて厚く、以前のキュートなシンセ・ポップ然とした面影を塗り替えるエピックなサウンドスケープを披露している。“ネヴァー・セイ・ダイ”や“ミラクル”はそのハイライトだろう。加えてさらに、ザ・ナショナルのマット・バーニンガーをゲストに迎えて歌う“マイ・エネミー”。ビートとボーカルが織りなす独特なフロウが新鮮で、それこそアリアナ・グランデとウィークエンドのデュエットも連想させるアーバン・メロウな仕上がりが素晴らしい。

チャーチズの3人が、今の自分たちを取り巻く音楽シーンの変化や現状をどう捉えているのか。それを推し量るに十分な回答が示された作品。今後のかれらにとってキャリアのエポックとなるに違いない。(天井潤之介)



『ラヴ・イズ・デッド』の詳細はこちらの記事より。

チャーチズ『ラヴ・イズ・デッド』のディスク・レビューは現在発売中の「ロッキング・オン」7月号に掲載中です。
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チャーチズ ラヴ・イズ・デッド - 『rockin'on』2018年7月号『rockin'on』2018年7月号
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