スタジアム・ポップ・ロック

オール・アメリカン・リジェクツ『ホエン・ザ・ワールド・カムズ・ダウン』
オール・アメリカン・リジェクツ ホエン・ザ・ワールド・カムズ・ダウン
セルフ・タイトルのメジャー・デビュー・アルバム(03年)で一躍人気バンドとなり、ついつい力んでしまいがちな(とくに彼らはデビュー作がインディ時代のリパッケージだったこともあって)鬼門の2作目『ムーヴ・アロング』(05年)もヒット作になり、と着実に彼らのポップ世界を煮詰め、かつスケールアップしたロック・サウンドを鳴らす存在となったオール・アメリカン・リジェクツ。これと言って特徴がなく、もちろん音楽シーンと呼べるものがない街で、ラジオから流れるヒット・チューンを聴いて育ち、あるいはAC/DCやド派手なハードロックを思春期に浴びてきた彼らにとっては、ロックやバンドはスケールがデカく大音量で、誰しもがノレて、でも親たちには少し煙たがられるようなもの、なんだろう。このバンドは、そういう彼らが思うロック幻想をずっと追い求めて、音にしてきている。今作は、2ndアルバムから約3年を経てリリースされるアルバムだ。スケール感、もちろんたっぷりである。キャッチーさ、もちろん健在であるし、以前よりも増しているようにさえ思う。そしてシンガロングできる昂揚感たっぷりの歌やコーラス、骨太ながらもポップ・センスを感じるサウンドがある。ルックスの面だけじゃなくて、音楽的にも華やかで、心奪われるアイドル性がやっぱりこのバンドには備わっている。このアルバムで真っ先に感じるのはそこだ。日本でのリリース日にはちと早いが、久々の来日公演が控えている。本国ではすでにホール、アリーナ・サイズの会場を埋めるバンドへとなっている。未体験の方は、今のうちに観ておくべし。(吉羽さおり)
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