今年3月に公開されたネクライトーキーの“オシャレ大作戦”のMVを見た時、学校の軽音部で遊んでいるようなチープなノリと、それに反して楽曲もアレンジもあまりに良すぎるというアンビバレンツな魅力が衝撃だった（11月中旬時点では再生数175万回を突破）。ボーカルの女の子が底抜けに明るい歌声で、時々物凄く絶望的な言葉を発するところにも。それもそのはず、このバンドはコンテンポラリーな生活やボカロP・石風呂としても活動している朝日（G）が主導となり結成され、彼がほとんどの楽曲を手がけている。結成から約1年半にして既に大注目を集める彼らだが、今作『ONE!』で、このバンドの面白さや可能性やぶっ飛んでる感じがよくわかる。例えば“レイニーレイニー”はキャッチーなメロディで聴きやすいが歌詞を読むと《十代の想像上の散弾銃》なんてキラーフレーズがサラリと込められていたり。フジファブリックやユニコーンを遠慮なく匂わせる曲なんかもあったりとユニークで鮮烈なポップバンドに仕上がりつつある。もっさ（Vo・G）の只者じゃなさも爆発し、ブレイク寸前の熱気が渦巻いている。（上野三樹）