デビュー15周年を記念してリリースされる、大塚愛のベストアルバム。全31曲は彼女自身の選曲によるもの。“さくらんぼ”、“プラネタリウム”などのヒットソング、名バラード“クムリウタ”や遊び心溢れる“シヤチハタ”などのアルバム収録曲、“Dear, you”、“ドラセナ”といった比較的最近の曲まで万遍なく収録されている。当初は商業的な成功を目標とし、「カラオケで歌われる曲」に照準を合わせて曲作りを行っていたという大塚愛。そこから徐々に方向性をシフト。近年では、セルフカバーアルバム『AIO PUNCH』、エレクトロ調のアルバム『LOVE TRiCKY』、ピアノ弾き語りのアルバム『aio piano』などの作品を通じて大胆な変化を打ち出していた。そのため、リリース時期ごとにアプローチが大きく違っているわけだが、彼女はそういう自身のキャリアをまとめた本作のことを、バラエティ豊かな商品の並んだ、身近な存在という意味で「コンビニエンスMUSiC」と称しているのだという。ソングライターとしての非凡な才能をこんなにも気取らない言葉で表現するのは、きっとこの人だけだろう。（蜂須賀ちなみ）