悪名がロックの糧になる場所

モトリー・クルー『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝(サウンドトラック)』
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ALBUM
モトリー・クルー ザ・ダート:モトリー・クルー自伝(サウンドトラック)

セックス・ドラッグ・ロックンロールを誇張抜きで体現してきた「世界で最も悪名高いバンド」モトリー・クルーの光も影も高純度凝縮した、Netflixオリジナル映画『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』のサウンドトラック盤。“ライヴ・ワイアー”、“シャウト・アット・ザ・デヴィル”、“ホーム・スウィート・ホーム”といった初期ベスト的な選曲を通して、ワイルドな逸脱感とロックの爆発力を最短距離で結んでみせた80年代メタル異端児=モトリー・クルーのバイタリティが、この上なくリアルに匂い立ってくる。

そして、今作の幕開けを飾っているのが、ラッパー=マシン・ガン・ケリー(映画中ではトミー・リーに扮してパワフルなドラムを披露!)をフィーチャーした新曲“ザ・ダート(Est.1981)”。《ドラッグも嘘も苦痛も、俺たちを満たすには十分じゃない》と冒頭からエクストリームな生き様を歌い放ち《汚名を俺にくれよ》とぶち上げるヴィンス・ニールのミステリアスな妖気も、レイドバックの欠片もないミック・マーズ/ニッキー・シックス/トミー・リーの鮮烈な躍動感も、誰もが目を逸らせないほど破天荒で眩しいモトリー・クルーの道程の「その先」を指し示すには十分すぎるだけの熱量に満ちている。

なお今作には、劇中で使用された“ザ・ダート〞も含め、新曲4曲が収録されている。同じく「the dirt」という歌詞を擁したハードかつヘヴィな2曲“ライド・ウィズ・ザ・デヴィル”、“クラッシュ・アンド・バーン”は、彼らの「今」を別のアングルから浮かび上がらせるようなタフネスを宿しているのも嬉しい。もう1曲の新曲として収められている、マドンナ“ライク・ア・ヴァージン”のカバー・テイクも、アレンジの随所にアイデアと悪ノリが窺えて最高。 (高橋智樹)



詳細はBig Nothingの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。
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モトリー・クルー ザ・ダート:モトリー・クルー自伝(サウンドトラック) - 『rockin'on』2019年6月号『rockin'on』2019年6月号
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