現在進行形のノエル・ギャラガー

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ『ブラック・スター・ダンシング EP』
発売中
EP
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ ブラック・スター・ダンシング EP

今月のインタビューでも語られているように、ノエルは現在セルフ・プロデュースで新曲をレコーディング中で、それらの新曲をまとめて年内に3枚のEPをリリースする予定になっている。これらのEPが来たるニュー・アルバムのプレ・リリースとなるのか、独立した作品となるのかは曲の出来次第になってくるそうだが、今年が丸々1年アルバムのルーティンに縛られない試運転期間となったのは、枠組みを決めずに新しいことにチャレンジしたいという、ソロ10年目のノエル・ギャラガーの前のめりな意欲の賜物だろう。

本作はそんなノエルのEPプロジェクトの第一弾となる作品だ。来日公演でも披露された“ブラック・スター・ダンシング”は、ベース・リフとコズミックなシンセが主役のグルーヴィーなダンス・チューン。1分過ぎたあたりでようやく出番が回ってくるギターも、ナイル・ロジャースばりのカッティング・ギターで、彼がギターでの曲作りをやめ、ギターとメロディが切り離されたからこそ可能になった新アプローチだ。“ラトリング・ローズ”は『フー・ビルト・ザ・ムーン?』を踏襲したサイケデリックが、カントリーやブルー・グラスを思わせるバンド・サウンドによって豊潤な広がりを得ているナンバー。こちらもサウンドとアレンジが先行でメロディは後付けという意味で、彼のソングライティングの手法が従来と逆転している。一方、3曲目の“セイル・オン”は鼻歌レベルで即名曲認定されること必至のメロディとアコギが際立つ古典的ノエル曲だが、そこに後からフィールド・レコーディングを加えたり、リバーブの強弱で奥行きをつけたりと、ひとりスタジオであれこれ自由に試している姿が目に浮かぶ。そう、まさに3曲3様のノエルの現在進行形なのだ。 (粉川しの)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
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ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ ブラック・スター・ダンシング EP - 『rockin'on』2019年7月号『rockin'on』2019年7月号
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