2020年のこんにちは

桑田佳祐『Act Against AIDS 2018「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」』
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Blu-ray&DVD
桑田佳祐 Act Against AIDS 2018「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」
昨年末にライブを目の当たりにし、この映像作品も何度も観させてもらったが、触れるたびに驚きがある。桑田佳祐は、『ひとり紅白歌合戦』を特集したNHK特番の中で、「リスナーとして洋楽を経た後に、日本の歌謡曲の凄さに気付かされた」という趣旨のことを語っていたけれど、まさにこのステージには「洋楽の影響を受けながら独自に発展した日本の歌謡曲」の歴史が詰まっている。“想い出の渚”で斎藤誠の12弦ギターに宿るサーフポップの粋。挑戦的なアレンジで臨む“落陽”。ユーモラスな映像に意識を奪われがちだが、実は猛烈にソウルフルな“中の島ブルース”の節回し。そして“雪の華”の名唱名演は筆舌に尽くし難い。桑田はただメロディを懐かしむのではなく、歌を追いかけ、挑むようにパフォーマンスしている。西城秀樹やさくらももこをトリビュートする感涙の一幕のみならず、ザ・ワイルドワンズの加瀬さんもザ・スパイダースのムッシュもザ・テンプターズのショーケンも既にこの世を去った。しかし歌は、何度でも彼らを我々の側に呼び戻すのだ。この歌たちを連れて行ってくれ。また未来に会おう。(小池宏和)
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