2017年12月に行われた東京ドーム公演が待望の映像作品化。数々の華やかな演出はさすがドームならではで、当時の会場の熱気も、まだ昨日のことのように鮮明に思い出せる。しかしこの映像作品は、そうした凝った舞台演出やその日の熱狂にフォーカスするのではなく、メンバー4人それぞれの佇まいや、THE YELLOW MONKEYというバンドのあり方そのものを映し出す生々しいライブ作品だと思う。広い広いドームのアリーナに、奥まで続いて一周する花道。その広大な会場を縦横無尽に動き回るメンバーたち。それぞれが離れた場所で演奏していても、メンバー一人ひとりに華があって、その演奏姿を観ているだけでドームのスケール感をしっかり味わうことができるのがすごい。リハの様子や当日の舞台裏の様子などもインサートされ、2001年1月のドーム公演後に活動休止に至って、約17年ぶりに東京ドームに戻ってきた、そのバンドのリアルな姿を垣間見るドキュメンタリーとしても貴重な作品。本番中の舞台裏でアニー（Dr）が「いや、いいなあ今日。最高だわ」とつぶやくシーンは感涙もの。（杉浦美恵）