昨年10月に配信で観たHalo at 四畳半のライブ「かたちのないばけもの」は、この1年ほどの間に観た数々の配信ライブの中でも指折りの素晴らしさだった。歴代の楽曲たちがそれぞれに新しい意味を担いながら、コロナ禍の世界を寓話的に描き切ったコンセプトライブ。すごいバンドだとあらためて思ったからこそ、活動休止のニュースは青天の霹靂でしかなかった。正直、今も気持ちの整理がついていない。で、この活動休止前最後のデジタルシングル“星巡りのうた”を聴いて、グウの音も出なくなった。なんだよこれ。まるでHalo at 四畳半のテーマ曲じゃないか。パーフェクトな論理でロマンチックな物語を綴り、足すことも引くこともできないサウンドで感情を揺らすロック。まさに彼らは、夜空に浮かぶ星々を線で繋ぎ、そこに物語を見出すバンドだった。宮沢賢治の普遍的な名曲を彷彿とさせるタイトルにも窺えるように、飽くなきイマジネーションと文学性に裏付けられたバンドだった。道標の星のように煌めく楽曲たちは、今後も我々を導くだろう。(小池宏和)
そらのめぐりのめあて
Halo at 四畳半『星巡りのうた』
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