今、あぶり出される真実

DIR EN GREY『朧』
発売中
SINGLE
DIR EN GREY 朧
昨年8月の『落ちた事のある空』以来のリリースとなるシングルは、壮大なバラード。美しくも壮絶なインパクトを持つ“かすみ”を思い起こさせるような雰囲気を持ちながらも、この時代に響くメッセージと、構築されたサウンドデザインを誇っている。《理由を重ねて/今が在るのと/日は溶ける》という歌い出しから、シンプルなアレンジの中で一言、一音が際立っており、コロナ禍で繊細になった心、敏感になった耳にグサグサと刺さる。今だからこそあぶり出された「彼らの不変」を感じずにはいられない。そこには、ペーパードール作家の日野まきの作品を起用した、アーティスティックな美しいジャケットも含め、ライブに留まらず、パッケージで表現できるバンドの強さも含まれる。そもそも彼らが「バンドとはかくあるべし」という枠組みに留まらず活動してきたからこそ、コロナ禍でも果敢に歩みを進められるのだろう。

とは言え、2曲目に収録されている“T.D.F.F.”を聴くと、ライブが観たい!と昂らずにはいられない。リスナーの感情を鷲掴みにして揺さぶるような、生々しい振れ幅のある一枚だ。(高橋美穂)

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