孤独も虚無も愛も歌う

PEOPLE 1『Something Sweet,Something Excellent』
発売中
EP
PEOPLE 1 Something Sweet,Something Excellent
PEOPLE 1は、ひとつのジャンルで形容するのがとても難しいバンドだ。フォークもロックもニューウェーブもエレクトロニカもヒップホップも、その様々な影響を感じさせるサウンドは今作も健在。ことさらドラマチックに展開するのでもなければ、無邪気に明るい未来を描くようなものでもない。しかし、惨めな気持ちに落ちていきそうなギリギリのところでふっと笑みがこぼれて体温を取り戻すような、とてもリアルな日常を描く楽曲たちが、なぜか今とても心地好い。決して耳触りの良い音楽という意味ではない。むしろダークに、不穏に虚無を描く“スラップスティック・ガール”や、孤独や諦念に揺れ動く心の叫びを描いたような“113号室”は聴き手の心を容赦なく刺す。だからこそ今作後半の“ラヴ・ソング”はたまらなく切なく響くのだろう。淡々と過ぎてゆく日々のような乾いたビートにのせて響く深い愛の歌だ。続く“Outro (Because I Love You)”も、不器用な生き様をさらけ出しながら、感情のままに拙い愛を歌う。そのリアルが不思議なほどに「今」の気分にマッチして、彼らの音の沼にはまり込んでしまう。(杉浦美恵)

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