Reolの歌のすごさを言語化しようと考えてみたが、「この人の歌、踊ってる!」という表現が最もしっくりくる。緩急、静動、強弱といったニュアンスの表現、歌声に宿っている感情のグラデーションが醸し出す躍動感が、このような印象に繋がっているのだと思う。昨年配信された“第六感”も、まさしくそういう感覚を噛み締めさせてくれる。パーカッションを打ち鳴らすかのように言葉をダイナミックに響かせて、ビートを巧みに乗りこなしつつ歌う様が猛烈にかっこいい。なんと言っても《第六感、六感》というフレーズのインパクトは絶大だ。ミステリアスな音像、残響をスパッ!と一瞬断ち切って聴覚に重力変化のような衝撃を喰らわす仕掛けなどが随所に施されているトラックとReolの歌が一体となった波動が心地好くて仕方ない。既に配信されている“Q?”や“白夜”、新曲の数々も含めて、鍛え抜かれた肉体のしなやかな躍動が空間に壮大なドラマを描いているかのようなワクワクに満ちあふれている今作。高度な歌唱スキルを表現としての必然に集約しているReolの凄みに、ぜひ浸りきっていただきたい。(田中大)
生命の躍動を感じる歌
Reol『第六感』
発売中
発売中
MINI ALBUM