Reolの人間臭く僕らを刺す音楽はなぜ至上の救済となるのか?

Reolの人間臭く僕らを刺す音楽はなぜ至上の救済となるのか?
Reolが1月22日にリリースした2ndフルアルバム『金字塔』は、昨年3月発表の『文明EP』の続編的な作品と言える。ある文明が起こるとそれを象徴する建造物が建てられるように、前作で浮き彫りになったReolの新たな世界観は、今作でひとつ至上の形になって完成された。トラックメーカーにはお馴染みのGiga、さらにケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、Masayoshi Iimoriを招き入れ、今までで一番挑戦的且つ開けたサウンドで勝負している。そして、また一段とエッジの効いた歌詞からは、Reolの音楽に触れる全ての人に向けられた力強いメッセージがビシビシ伝わってくる。


文明の発展のごとく、作品を出すたびに最高を更新し続けるReol。そんな彼女の今の勢いが鮮やかに反映された“HYPE MODE”は、バキバキのエレクトロサウンドと予測不能な曲展開に、ボースティング的なリリックを乗せた中毒性の高いナンバーだ。Reolが自身のTwitterで「わたしたち別に全然無敵じゃないけど、聴いてる時だけはそう思えてくるような、まじないの歌が欲しかったから作りました」と呟いていたように、この曲を再生するとまるでReolが自分の中に入り込んで、彼女の目から世界を見ているような感覚にもなる。つまり、曲中で繰り返される《天下無敵》とはReolの絶好調な今を表すワードであると同時に、私たちに授けられる一種の暗示でもあるのだ。

アルバムを聴いていると、MVがない曲でも目の前に映像が浮かび上がってくるのが不思議なのだが、それはきっとReolが歌だけに留まらない表現力を持つアーティストだから。ビビッドで都会的、でも人間臭さや血の通った感じは失われないReolの個性だけが見せてくれる映像だ。彼女のファッションや佇まい、言葉の使い方、盟友・お菊とのタッグで制作される映像作品、そのどれもがオリジナリティに溢れ、思わず真似をしたくなるような魅力がある。そういった歌以外でのカラーの強さやReolのアイコンとしての才能も、今作により説得力やリアルを与えている部分なのだろう。


そんなReolもまた、《天下無敵》な誰かに救われながらここまでたどり着いた。その事実に気付かされるラストナンバー“1LDK”には、彼女の等身大な想いが綴られている。劣等感や厭世的な気分、肯定できない自分、そういったクソみたいな現実を光らせる《イヤフォンの向こうで 歌う声》――アルバムを最後まで聴いた私たちがReolに何かを授けられて感じる《天下無敵》と、彼女自身が憧れ続けてきた《天下無敵》がクロスオーバーするこの瞬間、今作は初めて『金字塔』としての意味を持ち、強い輝きを放つ。(渡邉満理奈)
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