まぎれもないロックバンドの傑作

PEDRO『後日改めて伺います』
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ALBUM
PEDRO 後日改めて伺います
今年の12月22日をもって無期限活動休止、充電期間に入ることが発表されているPEDROの3rdアルバム。全10曲、すべての作詞・作曲をアユニ・D(Vo・B)が手がけ、PEDRO史上最高傑作が完成。そしてアユニの音楽表現の更新は、そのままバンドサウンドの更新だったのだと強く感じさせる作品でもある。弱さも強さも併せ持つ切実なアユニの歌声に、寄り添うというよりも正面から向き合い、絡まり合って、また切り裂くようにギターを鳴らす田渕ひさ子(G)、そしてアグレッシブなビートで土台を支える毛利匠太(Dr)――この3ピースだからこそのPEDROサウンドが確立されているのだ。“吸って、吐いて”の疾走感はこのバンドならではのものだし、田渕の懐の深いギターサウンドがあるからこそアユニは無防備に《助けてほしい》と歌うことができたのではないかとも思う。《やなことだらけこの世界を/こうして歌って殴っていくよ》と歌う“おバカね”の、どこか明るいロックサウンドにもグッとくる。活動休止は残念だが、ここでPEDROが終わるわけではないと、このアルバムは告げている。(杉浦美恵)

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