「紅白出場」のニュースも大きな話題となったが、去る12月2日、NHK特番に
まふまふが登場し、驚いた人も多かったのでは。なかでもボカロPとして圧倒的支持を集めるDECO*27との初対談は番組のハイライトでもあった。その特番で披露されたふたりのコラボ曲がこの“ブレス”だ。まふまふと同じくネットミュージックシーンを走り続けてきたDECO*27が楽曲を手掛け、さらには(もともとはまふまふのファンだったという)Rockwellが編曲を、そしてまふまふ自身は歌い手としての表現に徹してこの楽曲は完成した。まふまふとDECO*27、これまで交わることのなかった2本のラインだが、同じシーンでトップランナーとして活動を続けてきた両者だからこそ共有できる痛みがある。この“ブレス”には、その複雑な感情が余すところなく表現され、10周年という節目を迎えたまふまふの軌跡を駆け足で追体験しているような気持ちにもさせられる。音域広く、様々な感情を繊細に声音ひとつで表現していくまふまふの歌声。その特性を完璧に理解したソングライティングは初タッグとは思えないほど隙がない。(杉浦美恵)
『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より