「ただ運命に身を委ねる毎日よりも、一途な思いを貫いて駆け出す日々を過ごしたい、そう思わせてくれる映画です」と、まふまふは公式コメントで、映画『君が落とした青空』について綴っていた。そのテーマがそのまま楽曲に落とし込まれた主題歌がこの“栞”である。キラキラと美しく響くシンセサウンドと、メロディアスで時のうねりを思わせるようなギターリフ。アップテンポながら、静かに大切に言葉を刻みつけるような歌い出し。その言葉にグッと引き寄せられる。サビの弾けるハイトーンも、感情の爆発というよりも、切実な思いを丁寧に、強く訴えかけるような響きを持ち、ボーカルの表現力の繊細さを改めて感じ取る。タイムリープをモチーフにした映画の世界線、その物語の中から、日常の些細な場面にも“栞”を挟んでおくべき大切な瞬間、分岐点があるというメッセージを抽出し、そのうえで書かれた歌詞は、疾走感溢れるサウンドと相まって、切なさの中にも能動的な意志の強さを感じさせる。まふまふの歌声がより有機的な響きを携えている。未来への衝動、生命力のようなものを感じる歌。(杉浦美恵)
能動的な意志の強さを感じる歌
まふまふ『栞』
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