まふまふ/東京ドーム

まふまふ/東京ドーム - Photos by 小松陽祐(ODD JOB LTD.) / 岡本麻衣(ODD JOB LTD.) / 堀卓朗(ELENORE) / 今田和也(ELENORE) Photos by 小松陽祐(ODD JOB LTD.) / 岡本麻衣(ODD JOB LTD.) / 堀卓朗(ELENORE) / 今田和也(ELENORE)

●セットリスト
01.ベルセルク
02.最終宣告
03.罰ゲーム
04.アルターエゴ
05.悔やむと書いてミライ
06.携帯恋話
07.デジャヴ
08.おとといきやがれ
09.女の子になりたい
10.忍びのすゝめ
11.イカサマダンス
12.ユウレイ
13.さえずり
14.ひともどき
15.生まれた意味などなかった。
16.命に嫌われている。
17.輪廻転生
18.拝啓ドッペルゲンガー
19.曼珠沙華
20.夜空のクレヨン
21.夢のまた夢


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本来ならば2020年3月、自身初の東京ドーム公演を行うはずだったまふまふ。しかし、新型コロナウイルスの影響で開催中止を余儀なくされた。あれから約1年1ヶ月。去る5月5日、まふまふは東京ドームでの無観客ライブを、自身のYouTubeチャンネルで全世界に向けて無料配信した。ちなみに東京ドームで無観客の無料配信ライブを行うのは、史上初の試みである。その歴史に刻まれたライブの模様をレポートする。

YouTubeチャンネル「まふまふちゃんねる」は、ライブ開始の30分前から期待と興奮に満ちたチャットが高速で流れて、文字を追うのも困難なほど。ライブ開始時刻には、視聴者は15万人を超えていただろうか。開始を告げるカウントダウンが始まった時のチャットの流れの速さは、客席で上がる歓声そのもののような強力なエネルギーを発して、最終的にこの日の視聴者数は最大で18万9000人にも上った。

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「東京ドーム! 一世一代の大舞台の幕開けだー!」というスクリームから、“ベルセルク”でライブはスタート。果てしなく広いステージに立つまふまふは、「無観客」をあえて明確に感じさせるような構図で歌い出す。疾走感あふれるサウンドに光のようなハイトーンが早くも突き刺さり、落雷を思わせる光の演出が、まふまふのエネルギーの放射とシンクロする。デジタルなシーケンスから“最終宣告”へと続くと、さらにアップテンポでハイパーな歌唱を繰り広げ、“罰ゲーム”へとなだれ込む。特効の火花も上がり、頭3曲ですでにクライマックスを迎えるかのごとし。

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「大丈夫。僕には見えているよ、客席のみんなの姿がね」と語りかけたまふまふだったが、「緊張する。だって全世界配信ですよ?」ともつぶやいた。しかし、その言葉さえも振り払うかのように、続く“アルターエゴ”のエネルギーは凄まじかった。さらに火力を増した、えげつないほどの火柱。エキセントリックでヘヴィなバンドサウンドと天を衝くような歌声、その熱量に驚く。序盤から圧倒的な声量で、惜しげもなくキラーチューンを連発。その余韻も冷めぬ間に、鳴り出したギターリフが示すのは“悔やむと書いてミライ”だった。この曲は、もともとはスマホゲームプロジェクト『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』のために書き下ろした楽曲で、そのセルフカバーだ。まふまふはギターをかき鳴らしながら歌う。そして同じく『プロセカ』に書き下ろした“携帯恋話”へと続き、まふまふの伸びやかな歌声が響き渡る。歌い終えるとまふまふは、「大切な楽曲たちをこのドームに連れてきたかったので、ひとつやり遂げた感があります」と語った。

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展開めまぐるしい、ブレスの余地すらないのではないかと思う“デジャヴ”でも安定感のある歌を聴かせると、ミドルテンポのグルーヴを醸し出す新曲“おとといきやがれ”を軽快に、かつダークに歌う。これまたまふまふの新機軸。その表現力は、この1年でさらに豊かに磨き上げられているかのようだった。まふまふの歌声の魅力に最大限に寄り添い、後押しするバンドのアンサンブルも素晴らしい。ところどころで挿し込まれるインタールード的なインストゥルメンタルがまた見事。ただ単にトリッキーなプレイをするのではなく、アンサンブルのタイム感でオーディエンスを魅了する。そのサウンドに聴き入る間にもまふまふは、客席のほうへと移動していた。そして中性的でキュートなボーカルで歌い始めたのは、“女の子になりたい”。ひとり掛け合いのように男声も見事に挟み込み、これをライブでやってのけるまふまふの技量に改めて舌を巻く。歌い終えて思わず「お父様、お母様、お兄様、親戚の皆様、本当にごめんなさい」と本人もつぶやいてしまうくらい、そのキュートさは破壊力抜群だった。

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“忍びのすゝめ”、“イカサマダンス”と、和のムードが漂うハイパーなダンスチューンが続くと、“ユウレイ”でとびきり切ない歌声を、“さえずり”では美しいメロディに乗せて、落ち着いた低音のボーカルを響かせる。とにかくこの日のまふまふは、その歌声の緩急、メリハリが素晴らしかった。最大の武器であるハイトーンも決して力技で突き進むのではなく、そこに様々なエモーションが宿る。和装にチェンジしたまふまふが、再びダークな和の世界観で歌う“ひともどき”。そして祈りのような読経のような厳かな空気を生み出す“生まれた意味などなかった。”は、雲の上を思わせる幻想的な演出も相まって、ラストの《生きなくちゃいけない》のスクリームが強烈に心を揺さぶった。

そのエモーショナルな情動は終盤、“命に嫌われている。”へと続き、“輪廻転生”では、ヘヴィな低音域からクリアな高音域までレンジが広くて情報量の多い歌を、まるで舞台で演じるようにシアトリカルに歌いこなす。「暴れ足りねーなあ! 限界まで叫ばなきゃおもしろくねえよな!」と叫ぶと、“拝啓ドッペルゲンガー”で速射砲のようなボーカルを1ミリもテンポを乱すことなく歌いこなす。早口のスポークン、倍テンで走るバンドサウンド。ジェットコースターのような楽曲を、軽快に乗りこなすように歌うまふまふ。完璧だった。

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「人に誇れるようなことなんて何ひとつなくて、そんな自分が10年間活動を続け、こうして夢だった東京ドームに立つことができたのは、他でもない皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」と、この日に込めた想いを語ったまふまふ。さらに「顔を出すのが怖い10年間でした。人前で歌うことが大嫌いな日々でした。いつの間にかこんなご時世で、みんなの前でライブをすることがなくなり、とてつもない虚無感と喪失感を感じていました。いつの間にか僕はライブが好きになってたんだな。みんなと会うのが楽しみだったんだな」と続けた。そしてラスト3曲について、「次の1曲は、日本とはまた別のところに住んでいる人たちのことを考えて作った曲。次の次の曲は、東京ドームで歌おうね、会おうねって1年前に約束したみんなに向けて作った曲。そして最後は、きっと僕のいちばん大切な曲」と紹介し、“曼珠沙華”、“夜空のクレヨン”、“夢のまた夢”を歌い切ると、「ありがとう、またいつか」と言ってライブを終えた。

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そしてその「いつか」がこの夏にも訪れることが「重大告知」として最後にアナウンスされた。盟友・そらる天月-あまつき-等も出演する「ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅱ@東京ドーム~ONLINE」が8月1日(日)に映画館上映と全世界配信という形で開催されることが決定したのだ。サプライズ告知にまたもやチャットが大いにザワつく。最後まで様々な驚きに満ちた、この日の配信ライブだった。なお、この配信ライブのアーカイブは、もともとはライブ配信の翌日のみ視聴可能な設定だったが、まふまふのはからいで、「いつか東京ドームで有観客ライブができるまで、つまり『コロナウィルスが終息するまで』公開しておくことに決めました」とのこと。見逃してしまった人も、これで何度もリピートできます。なんとも粋なはからいだ。(杉浦美恵)

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