ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - All photo by 小松陽祐(ODD JOB)、川田洋司(mosa) 、堀卓朗(ELENORE)、釘野孝宏All photo by 小松陽祐(ODD JOB)、川田洋司(mosa) 、堀卓朗(ELENORE)、釘野孝宏
まふまふ主催による「ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~」が、11月3日、4日に幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールにて開催された。
昨年、さいたまスーパーアリーナにて開催された「ひきこもりたちでもフェスがしたい!」に引き続き、今回は2デイズでの開催、両日で3万人近くを動員した。

昨年の「ひきフェス」を初めて観た時、とても衝撃を受けた。こんな世界があるのかと。
若い世代のファンが多く、それぞれがとても熱狂的で、アイドルやアニメ(声優など)のコンサートやライブとも違う、新鮮で体感したことのない熱量に圧倒されたことを覚えている。

何度も歌い手関連の記事を書く際に、この界隈の底知れないポテンシャルについて言及してきたが、ここに来て、また新たなフェーズを見せられたと、感嘆してしまった――。

1曲目からキラーチューンを放つAfter the Rainのパートからスタート。花火とともに“解読不能”が、ウォーミングアップなど必要ないと言わんばかりの熱量で披露される。そして美しいピアノの旋律から始まる“四季折々に揺蕩いて”では、まふまふとそらるのふたりが花道の先端ステージで歌うと、その一際近い距離に観客が沸く。まふまふは、そんな会場を見渡すようにくるくると回りながら、360°囲まれていることを噛み締めているようだった。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - After the RainAfter the Rain
“マリンスノーの花束を”ではステージの前に噴水が立ち上り(!)、音楽に合わせて上下に動くと、リアルな水の音とその動きが、まるで遊園地のような、よりエンターテインメントな空間を演出。この日は外は少し寒かったが、一気に夏になったような爽やかな空気が会場を包んだ。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - そらるそらる
そしてこの日、11月3日はそらるの誕生日ということもあり、そらるは祝福の声に感謝の言葉を述べつつ、披露されたのは、AtRの最新アルバム『イザナワレトラベラー』に収録されているソロ曲“千里の夢と繭”。青いペンライト一面になった会場を見渡しながら、一層伝える気持ちを込めるように、大きな会場のステージの真ん中で、堂々と歌い上げた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - After the RainAfter the Rain
同じく『イザナワレトラベラー』に収録の“妖のマーチ”の後、同アルバムの最後を飾る“彷徨う僕らの世界紀行”がAtRのリハーサル映像や昨年の武道館ライブの映像とともに披露され、締めくくられた。

続いて、ダンサーを引き連れて登場したのは天月-あまつき-。「ご機嫌いかがですかー!?」と“かいしんのいちげき!”で一気に会場をハッピーな空間にすると、「みんなが楽しんでくれたら僕も楽しい」と、フロアの観客の笑顔を見渡すように話す。そしてまふまふ作詞作曲による激しい楽曲“ヒロイックシンドローム”で、一気にダークな雰囲気を放つ。続く、アレンジされた“小さな恋のうた”ではまた一転して優しさ溢れる歌声を響き渡らせる。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - 天月&佐香智久天月&佐香智久
そして佐香智久を呼び込むと、普段から仲の良いふたりのコントのようなやりとりから、「愛って何なんだろうね。愛について考えてくれますか」と、ふたりの共作曲“きっと愛って”を、美しいハーモニーを奏でながら披露。次いで、花道の先端ステージに設置されたキーボードとアコースティックギターをそれぞれスタンバイすると、つい先日投稿された、ふたりによる米津玄師“灰色と青”のカバーが、天月のキーボードと佐香のアコギでしっとりと奏でられる。仲の良いふたりだからこそ、この曲のテーマに合っていて、より一層聴き惚れるようだった。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - 佐香智久佐香智久
佐香のソロパートになると、観客との合唱部分の練習から、コミカルな“いつか君はそいつと別れるに決まってる”、そして「とっておきの曲」という前振りの後、元気ソング“ゲッタバンバン”へ。花道の先端ステージでは、まふまふや天月への憧れを話すと、アコースティックギターを抱え、“フローリア”をしっとりと想いを込めて歌い上げた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - luzluz
ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - あらきあらき
次いで、「あばれろ」との声で始まったluzによるまふまふの楽曲“メリーバッドエンド”のカバーで、一気にダークでニヒルな空間へ誘われる。「至高の時間をお届けします」と、XYZメンバーによるパフォーマンスが繰り広げられていく。
un:cが登場し、luzとふたりで“クイーンオブハート(SISTER Edition)”を官能的なパフォーマンスで披露すると、次にnqrseのラップから始まる、そらるとの“フィクサー”へ。立て続けにあらきが登場し、nqrseとの“インターネッツディスコ”で圧倒的歌声を見せつけると、さらにあらきのソロ“ヒバナ”での抜群の歌唱力で、赤いペンライト一面になったフロアと同じくらいの熱気が会場を包む。
luzが再び登場し、赤と白でフロアが満たされると、あらきとの“一騎当千”へ。女性目線のエロティックな歌詞を大人な男性が色気たっぷりに歌い、対照的なイメージのふたりだが、息のぴったりあったパフォーマンスで会場を魅了する。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - un:cun:c
ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - kradnesskradness
ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - めいちゃんめいちゃん
また一転して、un:cによる“チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!”が元気に繰り広げられ、観客も熱唱。そしてkradness、めいちゃん、nqrseと4人で、こちらのある意味官能的(?)な“ギガンティックO.T.N.”から、あらき、そらる、luzも登場して、XYZ恒例の「Xジャンプ」を練習。“デリヘル呼んだら君が来た”の後、XYZの新曲“CocktaiL”に合わせ、フロアでカラフルなペンライトが左右に波打ち、多幸感を残してXYZパートが終了した。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - XYZXYZ

フロアが白一面になると、まふまふのパートが始まる。主催らしく圧巻のパフォーマンスを魅せる“輪廻転生”で、その類のない高音ボイスにより一気にまふまふの世界に引き込まれる。AtRのアルバム『イザナワレトラベラー』のソロ曲“アンチウィルス”では、炎が吹き出すステージでメガホンを使って歌う演出も。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - まふまふまふまふ
「ひきフェスへようこそー!」と、来場したファンや、参加した友人たちへの感謝を述べた後、またステージの前に噴水が立ち上ると、nqrseとの“ECHO”へ。噴水が曲に合わせて激しく動き、レーザーも飛び交い、電子的な世界観を描き出す。
そして、イントロから今日イチの歓声で沸く、天月との“ロメオ”。次いで佐香智久が登場し、ふたりの共作曲でTVアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』OP曲“不完全モノクローグ”がライブ初披露される。
続いて、真っ赤に照らされたステージで懇親の想いを込めるように歌う“命に嫌われている”では、観客はその想いを受け止めるように全身で聴き入っているようだった。
まふまふを含めたXYZメンバーでの“Secret Answer”から、まふまふ・そらるによる“ロキ”のカバーでは、全て出し切るようにがなり声で叫ぶように歌い上げていた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~/幕張メッセ国際展示場9~11ホール - XYZXYZ

アンコールに応えて再び登場したのは、まふまふとそらるに加えて、次の日出演予定の浦島坂田船より、うらたぬきととなりの坂田。が、RPGのキャラクターに扮した衣装で登場し、そらまふうらさかによる“ロールプレイングゲーム”へ。
最後は今日出演したALL CASTで数台のトロッコに分乗し、客席の間を練り歩きながら“脱法ロック”と“夢のまた夢”が、後ろの観客にも、より近い場所で披露された。

ステージに戻ると、そらるの誕生日サプライズでケーキが用意される。そらるは本当に知らされておらずとても驚いた様子だったが、「なんて幸せな人生に生まれてきたんだと思う」と、感謝の気持ちを言葉を選ぶように丁寧に話し、「やりきったと思うまでは」と、今後の活動への意欲も見せた。
まふまふは、このフェスの一週間前に入院してしまい、今回の開催が怖かったという。しかし「仲間に救われている」、「今日という1日は大切な思い出」だと、みんなの協力の下、無事に開催できた喜びを噛み締めているようだった。
最後の最後は、恒例の“すーぱーぬこになりたい”を、多幸感いっぱいに全員で歌って、本日の「ひきフェス」を締めくくった。

冒頭でも書いたが、このようなライブを観る度に歌い手界隈のポテンシャルに驚嘆するとともに、今回はいつにも増して斬新な演出など、新たなフェーズを見せられたことで、まふまふという、今やトップを走り続けていると言っても過言ではない1人のマルチクリエイターと、そらるや天月などの同じくトップと言える歌い手たちが、自分たちの世界を広げようと尽力していることは、改めて称賛に値すると思った。
そらるや天月はメディア露出の場を増やし、まふまふはジャンル問わず様々なアーティストへ楽曲提供をしている。彼らの活動が確実に実を結び、自分たちの活動の幅を広げるとともに、次々と生まれるネット発のアーティストへの手助けとなっているかもしれない。彼らのすごいところはそういうところだとつくづく思う。自分たちの利益のためだけでなく、仲間、次の世代、そしてファンまで、全てひっくるめて世界を見て、活動をしている。
ネットという閉じた世界は、表の世界よりも広く深くなっていることは明白だ。表面的な活動が全て正というわけではなく、閉じた世界で、飛び出したくてもその一歩が踏み出せない人、閉じられた世界でしか知られていない才能などが溢れていて、はち切れそうなエネルギーを秘めている。
今回の「ひきフェス」は、その大きなパワーを開放する引き金となるに値する、そんな公演だと思った。(中川志織)


●セットリスト
【After the Rain】
1. 解読不能
2. 四季折々に揺蕩いて
3. マリンスノーの花束を
4. 千里の夢と繭
5. 妖のマーチ
6. 彷徨う僕らの世界紀行

【天月&佐香智久】
7. かいしんのいちげき!  (天月)
8. ヒロイックシンドローム  (天月)
9. 小さな恋のうた  (天月)
10. きっと愛って  (天月、佐香智久)
11. 灰色と青  (天月(key)、佐香智久(Ag))
12. いつか君はそいつと別れるに決まってる  (佐香智久)
13. ゲッタバンバン  (佐香智久)
14. フローリア  (佐香智久(Ag))

【XYZ】
15. メリーバッドエンド  (luz)
16. クイーンオブハート(SISTER Edition)  (un:c、luz)
17. フィクサー  (そらる、nqrse)
18. インターネッツディスコ  (あらき、nqrse)
19. ヒバナ  (あらき)
20. 一騎当千  (あらき、luz)
21. チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!  (un:c)
22. ギガンティックO.T.N.  (un:c、kradness、nqrse、めいちゃん)
23. デリヘル呼んだら君が来た(XYZ arrange ver.)  (あらき、un:c、kradness、そらる、nqrse、めいちゃん、luz)
24. CocktaiL  (あらき、un:c、kradness、そらる、nqrse、めいちゃん、luz)

【Mafumafu with friends】
25. 輪廻転生  (まふまふ)
26. アンチウィルス  (まふまふ)
27. ECHO  (まふまふ、nqrse)
28. ロメオ  (まふまふ、天月)
29. 不完全モノクローグ  (まふまふ(G)、佐香智久)
30. 命に嫌われている  (まふまふ)
31. Secret Answer  (まふまふ(G)、あらき、un:c、kradness、そらる、nqrse、めいちゃん、luz)
32. ロキ  (まふまふ、そらる)

(アンコール)
EN1. ロールプレイングゲーム  (まふまふ、そらる、うらたぬき、となりの坂田。)
EN2. 脱法ロック  (ALL CAST)
EN3. 夢のまた夢  (ALL CAST)
EN4. すーぱーぬこになりたい  (ALL CAST)


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