小さい頃から自分の気持ちを伝えることが苦手だったと言うまふまふは、伝えにくい自分の気持ちを人に伝えられる伝達手段として、歌で表現することを始めたと言う。そんな曲作りの原点について、彼はこう振り返る。
僕は子どもの時に、生きていくのをやめようとしたことがあったんです。実際は今もこうやって生きてるんですけど、本当はそこからの人生って、僕にとってはなかったものだったんです。だから今、僕はなかったはずの人生の中で生きてるんですよ。僕はそれがあったことで、むしろ自分は残りの人生でもっといろいろなことができるかもしれないっていう発想に至ったんです
ひとりで曲作りを始めて以降は、知らないことを知り、自分の中の引き出しにさまざまな経験を詰めてくようにインプットを続けてきたと語るまふまふ。そうした中で生まれてきた言葉や、自分の人生経験に基づいて曲を書き上げているという彼にとって、新作アルバムはその集大成とも言える作品となっている。
『明日色ワールドエンド』っていうのは、要は未来の色はワールドエンドだから世界の終わり、未来はないよっていうアルバムなんです。(中略)自分の人生の最後っていうところに辿り着いたその先で、そこには何もなかった――人を拒絶したり、幸せを得ようとしたり、夢を追いかけたり、何かに怒ったり、いろんなことをしてきて、行き着いた最後の最後は何もなかったっていうメッセージなんです
まふまふという表現者はいかにして生まれ、何と向き合いながら生きているのか。その真実に触れることのできる必読のインタビューだ。彼とゆかりの深いりゅうせーによる、本誌描き下ろしイラストも必見。