音楽情報サイトなどでも紹介されている通り「結成20周年を記念した初のベスト選曲アルバム」なのだが、単に過去の曲を集めた作品ではないというのは、四星球を愛してやまない人ならば当然予想しているだろう。その通り! 新曲やコントも交えた20トラックで構成しているのが「20周年」に合わせたさりげないこだわりであるだけでなく、曲順にも非常に大きな意味がある。そして聴き終えた時に伏線回収の爽快感を味わえると同時に、彼らの決意とメッセージが自ずと浮かび上がってくるので、まずは順番通りに一気に聴くのを強くおすすめしておく。込められている想いの解釈は、もちろん人それぞれだろう。しかし、「日本一泣けるコミックバンド」という彼らが掲げ続けているコンセプトがひと際鮮烈に迫ってくるという印象に関しては、おそらく多くの人が同じはずだ。人生は思うようにならず、浮き沈みの連続だが、どん底にいながらも精一杯に笑おうとする姿には必ず未来がある。そんなことを感じさせてくれるこの4人が四星球として活動を重ねていることが、このアルバムを聴くと改めて嬉しくなる。(田中大)
20周年は未来への序章
四星球『トップ・オブ・ザ・ワースト』
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