前作『neo neo』からの約2年間はリュックと添い寝ごはんにとって、自分たちが鳴らすべき音楽、伝えるべきメッセージ、生み出すべき世界を探して旅をするような時間だった。曲をリリースするごとにその輪郭がはっきりと見えてきて、歌詞で歌う言葉も演奏のニュアンスも「これだ」というものに近づいてきた。そういう、文字通りの「成長」の過程をドキュメントのように詰め込んだのがこのアルバムだ。だから『四季』。巡るように季節を過ごしてきた彼らの集大成であり、新たなスタートの第一歩だ。その象徴といえるのがアルバム最後の2曲。自身の身の回りの生活と世界を「愛」というキーワードでつなぎ合わせてみせる“みんなのうた”と、力強く広がるようなバンドサウンドにのせて《音を繋いでいく 紡いでいく 素晴らしい今日に愛を》と決意を歌う音楽賛歌“Thank you for the Music”。どちらも「愛」というでっかいメッセージを彼らのリアリティの中で表現しきっている。こんな世の中だからこそ、愛と人間と音楽を信じきるようなこのアルバムとこのバンドを断固支持したいと改めて思う。（小川智宏）

『ROCKIN'ON JAPAN』1月号より