譜面上はどこの誰にでも演奏可能な、単純極まりない3コードのロックンロールを、ブルースを、ピカピカに輝かせて鳴らす能力。ウルフルズがデビューした30年前にはほぼいなかったが、今はいっぱいいる、でもみんなシュッとしていてスタイリッシュで、ウルフルズみたいに泥くさく響かせてくれるバンドは今でも他にいない、どファンク方面の楽曲。グループサウンズ感が楽しいポップソング。ウエストコースト的なアメリカンロック感。ジョンBを、サンコンJr.をフィーチャーした曲もあるし、もしそれがなくても「トータス松本と他のふたり」じゃなくて「この3人」の一体感、各曲にバリバリあり。要は「ウルフルズの強いとこ」がこれでもかとばかりに出た、デビュー30周年プロジェクトのヤマとして、きっとこれ以上のものはないニューアルバムだということだ。ツアー初日の11月9日三郷市文化会館公演を観たが、激しく期待以上だった。特に“楽しいお仕事愛好会”と“続けるズのテーマ”、こんなの生で聴いたら泣くわ!という仕上がり。ファンもご新規も、ぜひ今のウルフルズのライブを観てほしい。(兵庫慎司)
「こうあるべきウルフルズ」の結晶
ウルフルズ『楽しいお仕事愛好会』
発売中
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ALBUM