フォーマットなき究極形

UNISON SQUARE GARDEN『Ninth Peel』
2023年04月12日発売
ALBUM
UNISON SQUARE GARDEN Ninth Peel
ロックを極めるほどにポップの輝きを増し、カラフルなポップの色彩を極めるほどにロックの強度とダイナミズムを獲得する――というUNISON SQUARE GARDENの音楽回路の独自性は、今さら強弁するまでもないだろう。しかし、“カオスが極まる”や“kaleido proud fiesta”といった既発曲や“Numbness like a ginger”で象徴的に示されてきたのは、ジャズやトラップなど多彩な要素も巻き込みながら、ユニゾン内部の盤石な音楽回路を自らシャッフルして、獰猛で爽快な未知のポップ極限装置を生み出そうとするかのような冒険心と闘争心だ。

前作『Patrick Vegee』から約2年半ぶりの9thアルバム。“恋する惑星”の晴れやかな開放感も“アンチ・トレンディ・クラブ”のいびつな切迫感も、真剣の斬り合いレベルにまで研ぎ澄まされた斎藤宏介・田淵智也・鈴木貴雄の歌とアンサンブルで響かせる全11曲の鮮烈さには戦慄&狂喜必至。《見たことがなけりゃないほどドラマチックだ》(“カオスが極まる”)――ロックの型に甘えずポップの共感性に媚びず、決然と前進し続ける3人の金字塔的名盤。(高橋智樹)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)


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