「そう来たか!」「え、そう行くの?」――そんなふうにコロコロと表情を変えていく、その驚きに満ちた楽曲の展開はまさに「ケセラセラ」。静と動を行き来しながらストリングスやピアノと共に縦横無尽な軌道を描いていくそのダイナミックな躍動感は、「なるようになる」という言葉が抱く、あっけらかんとしつつも逞しいポジティビティを見事に体現している。もちろん緻密な構築によって成り立っているのだが、曲全体が持つ強烈なパワフルさが、「細かいことを気にしてないで、とりあえず波に乗っちゃいなよ!」と誘うよう。明日のことがわかる奴なんていない。だから、大丈夫――この曲は、未知なる未来に歩を進めるすべての勇気ある友へ向けた祝福だ。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)
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