『めざましテレビ』新テーマソングとして、Vaundyにより書き下ろされた新曲“いばら”。つまり『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』収録の“逆光”以来となるタッグだが、『オールナイトニッポン』パーソナリティを堂々務めていることといい、我々の日常の中でこれまで以上に存在感を増してゆくAdoである。共にひとつの作品を生み出す関係なので、Adoの楽曲を手掛けるソングライターたちにも当然、連帯意識はあるのだろうが、面白いのは多くのソングライターたちもまた、Adoという強烈な個性を認知し、底知れない表現力に挑むかのように楽曲を提供しているということだ。“いばら”の歌詞にしたためられた《期待を超えるその魅惑の痛みで/きっと/今よりずっと朝が見えるはず》というフレーズは、VaundyがAdoを見つめる視線に思えてならない。情念を込めて力強く舞い上がるコーラスが素晴らしい一方、バース部のテクニカルなメロディを乗りこなしてゆくAdoの歌唱もすごい。Vaundyの作曲技術とAdoの表現力が、バチバチと火花を散らしながらぶつかりあうようで、なんともスリリングだ。(小池宏和)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年7月号より抜粋)
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