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日本だけでなく海外でも大きなバズを巻き起こしたバンドではあるが、彼らのロックは、むしろ他でもない私たち日本人の心に深くまっすぐに突き刺さるものである。今作を聴いて、僕はその確信を深めた。もちろん、彼らの強みである多国籍感を前面に押し出した“在夜市再見 feat. タブゾンビ（SOIL&"PIMP"SESSIONS）”も収録されているが、今作を通して強烈に感じ取れるのは、日本で暮らす私たちが胸の内に抱える切実な心情だ。《隅田川に降る夕陽》（“おどる ひかり”）に気持ちを重ね、《放課後誰にも見つからないように袖で隠したジュースの缶》（“Wedding Song”）を思い返す。しかしそれは、決して単なる懐古ではない。《リクエストは「Night Fever」》をはじめとした海の向こうとあの頃への憧れを歌った“1R DISCO”で、尾崎リノは《’74がDISCO元年 2023 令和5年 ニュー・生活DISCO元年です》と力強く宣言してみせる。今、ここから、新しい時代を鳴らす。彼らの凛としたしなやかなロックに、僕は極めて鮮烈な野心を感じている。（松本侃士）（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋）
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