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昨年9月から「和ぬかmeetsバンドサウンド」と銘打った楽曲を次々とリリースしてきた和ぬかは、その後、昨年末の初ワンマンライブ、今年の春の初ツアーを通して、その方向性について確かな手応えを得たのだろう。結果として今作は、躍動的なバンドサウンドに乗せて彼の体温やほとばしる熱量がダイレクトに伝わってくる作品となった。今回も、100回嘔吐との黄金タッグが実現。バンドサウンドを大々的にフィーチャーしていることもありロックテイストが強い曲が増えたが、やはり今作においても多くの曲がダンサブルな仕上がりとなっている。ダンスミュージックの快楽と高揚感が、肉体的なバンドサウンドによってさらに増幅されていき、それに伴い、和ぬかの歌声も際限なく昂っていく。特に“ざわめけ feat. Sou”の終盤の熾烈な展開は圧巻だ。今作の楽曲たちが真価を発揮するのは、間違いなくライブのステージであると思う。これからライブアーティストとしての進化を重ねていくであろう彼の新章への期待が高まる。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)
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