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どこまでも聴き手に寄り添った快作。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のインスパイアソングで、再生直後から『ポケモン』の世界に入り込んだような電子音が響く。歌詞にも作中の決め台詞や過去作のタイトルがちりばめられていたり、ポケモンの鳴き声に聴こえる英詞があったりと、ワクワクが止まらない仕掛けが盛りだくさん。とはいえ、あくまでもさりげなく埋め込まれているのが心憎い(実際、電子音が初期作でのトレーナーとの対戦時BGMをベースにしている説は、YouTubeのコメントを見て気づいた)。そしてAyaseが描いた世界を美しく染めあげるikuraのボーカルがまた素晴らしい。“Biri-Biri”では、題材が「ゲーム」だからなのか、より2次元的なイメージで歌っているように感じたが、だからこそできる余白によって、リスナーはそれぞれの『ポケモン』との思い出や感情を楽曲に乗せることができる。日本語版と同日に英語版も配信し、世界中の『ポケモン』ファンにも想いを届けた。(藤澤香菜)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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