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“Obsessed”の国内外ヒットも冷めやらぬ中リリースされた新曲は、思わず身体を揺らしながらクラップをしたくなる、ビートがアクセントのソウル/ファンクナンバー。すべての音色がリズムに特化したトラックで、それを引き立てるのは日本語詞と英語詞が巧みに切り替わる歌詞である。活動の拠点をアメリカと日本に置くバイリンガルの彼らしく、日本語と英語それぞれ特有の響きで緩急のあるフローを作る。ボーカルが的確に楽器のフレーズと組み合うクールでグルーヴィーな楽曲と思いきや、もうひと展開持たすのが日本人ならではのギミックだ。ラストサビ直前の柔らかいメロディのセクションには、絆創膏を剥がすのが遅れれば遅れるほど剥がす際に痛みが増すという経験に紐づけた「言いたいことや気持ちはすぐに伝えたい」という強い思いが込められている。我々をスマートに鼓舞するストレートなメッセージや、リリースのたびに異なる音楽性に挑戦する心意気や姿勢は凛々しく、清々しいほどにナチュラルだ。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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