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《聞いて/君と出会えて本当に良かった》。まさに思いが溢れ出すようなメロディのダイナミズムを備えた、驚くほど率直なラブソング。個人的な恋愛感情を綴った歌として触れることもできるが、ライブに足を運んでいる熱心なファンであれば、リスナーに向けた手放しの愛情を表明してやまない4s4kiの姿を重ねることになるだろう。ありとあらゆるビートやグルーヴを乗りこなし、メロディ歌唱にラップにとボーカル表現も多彩な4s4kiだが、その作家性において最も素晴らしいのは、優れたメロディメイカーとしての資質を手放さない点だ。コンテンポラリーR&Bのソウルフルな節回しを伸び伸びと表現しながら、さらにコーラス部分で高みへと跳躍する旋律と歌声。時代も文化背景も異なる音楽をバラバラなまま提示するのではなく、どんな表現を通してもブレることのないグッドメロディこそが、4s4kiを4s4kiたらしめていることがわかる。Zoo lay Stationとの共同編曲による壮麗で刺激的なサウンドスケープもすごい。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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