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今作はアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』と公式にタッグを組んだ異例のコンセプトアルバム。アニメは約17年前に放送されており、なぜ今?と疑問に思った人もいるかもしれないが、構想を持ちかけたのは4s4ki本人。『コードギアス』は、彼女が自分の音楽を表に出すことをためらっていた時に背中を押してくれた作品で、『コードギアス』がなければ4s4kiというアーティストは誕生していなかったと言えるほど。実際、今作からは細部にわたってアニメへのリスペクトが感じられる。“Shirley”はあまりにもリアルにヒロインの恋心が描かれていて胸がぎゅっと締めつけられるし、《割れた花瓶の音》(“慰霊文”)というフレーズでカレンに想いを馳せて切なくなる。元々は裏方として作曲家を志望していたというだけあって、お題に寄り添いつつも持ち味のハイパーな世界観を残したサウンドメイクは申し分なし。楽曲単体でも十分楽しめるけれど、このアルバムの本質を100%理解するためには、ぜひアニメと共に堪能してもらいたい。(有本早季)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋)
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