オリジナルメンバーだったもっくん(森信行/Dr)と一緒にバンドの原点に戻って作った前作『感覚は道標』から約2年半、くるりの新しいフルアルバムが完成した。オーセンティックともいえる、くるりらしい楽曲が並び、アレンジも演奏も歌も素直で飾らないシンプルな作りになっている。その分、メロディも楽器の一音一音も、そして歌も、突き詰められた確かさで鳴らされ、歌われている。それが美しい。『儚くも美しき12の変奏』というタイトル通りのアルバムだということに、にわかに気づく。自分の弱さを知らないと人の弱さがわからなくなるという危機感が最近あった。「強いんです」ってかっこつけて強くなった作品は、聴かせたい人の味方じゃない気がした
前半の3曲、“Regulus”と“金星”と“瀬戸の内”の並びがことさら美しい。くるりらしいメロディがきれいなポップソングたちだが、こんなに素直に歌われ、仲良く3曲並んで収められることなんて今まであっただろうか。アルバム後半にも“押し花と夢”、“セコイア”、“ 3323” の、これまた美しい3曲が仲良く並んでいる。
くるりは今年9月に結成30周年。その前にこんなアルバムが生まれたいきさつを、ふたりに語ってもらった。
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=新津保建秀
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より抜粋)
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