2025年12月31日をもって3年9ヶ月に及んだフェーズ2にピリオドを打ち、2026年1月1日からはフェーズ3に突入したMrs. GREEN APPLE。昨年も、リリースされる楽曲、開催されるライブ、そのどれもがとにかく濃密で、驚きの連続だった。このフェーズ2の濃さ、特に2025年の濃密な活動を思えば、フェーズ3へと至る前にしばしのインターバルを設けてもなんら不思議ではないのに、ミセスはその歩みを止めない。
レコード大賞3連覇、『NHK紅白歌合戦』3年連続出場と、最高の形で2025年を、そしてフェーズ2を締めくくった直後、明けて元日には早くもファンへの感謝とメッセージを込めた生配信を行っている。と言っても、新年だから、フェーズ3の始まりだからと、妙に構えることはなく(こたつに入って、半纏など羽織り、みかんや雑煮を食べ、カルタに興じるなど)、素顔のリラックスしたムードを見せていた3人。かしこまったよそゆきの表情ではなく、普段の自分たちの空気、声で、新たなフェーズを迎える新年を祝いたいという、それ自体がメッセージだったようにも思う。駆け抜けたフェーズ2、その活動が大きな実を結んできたことに対してのファンへの感謝の思い、そしてこの先へと繋がる思いが、偽りのない本音で語られているのを見て、やはりミセスは音楽に対してどこまでも誠実なのだと感じたりもした。
その生配信でも少し語られていたが、ミセスのフェーズ3の始まりを告げる、一発目の楽曲が1月12日に配信リリースされた。そのタイトルは“lulu.”。フェーズ2の締めくくりとなったドームツアー、ミセスのいわゆる「ストーリーライン」である「BABEL no TOH」に足を運んだ人なら、このタイトルにピンとくるものがあったはず。そう、「BABEL〜」の終演後には、会場出口で訪れた人全員に一枚のリーフレットが配られていて、そこに書かれていたのが「愛しのluluへ」という書き出しで始まる一通の手紙だったのだ。これもストーリーの一部なのかと思いつつも、結びが「Mrs. GREEN APPLEより」となっていることで、その「lulu」が指すものとは、ミセスの音楽を愛する実在のファンやリスナーであることだと感じられた。(以下、本誌記事に続く)
文=杉浦美恵
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より抜粋)
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