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かやゆー(Vo・G)のパブリックイメージを自ら盛大にネタにしたこのジャケ写には思わず笑った。曲の前半では期待を裏切らないクズっぷりを露呈しつつ、《誰かと一緒にいたいけど/欲を言えば好きなあの子がいて欲しい》と漏らす、かやゆーの心の声が筒抜けな歌詞にもドキッとさせられた。自分のキャラを受け入れ、むしろそれを武器にして言いたいことを正直にぶつけられるようになったかやゆーが率いるヤングスキニーは無敵すぎる。最近のかやゆーの潔さは半端ではなく、ライブで自分にばかり向けられる黄色い歓声を牽制し、その反骨精神から短髪にイメチェンも図ったし、“精神ロック”では自分なりのロックバンドの美学をどストレートに綴っていた。人からどう思われるかより、本心をさらけ出し、自分がかっこいいと思える姿で勝負する。それって、ロックのあり方そのものなのではないか。外野からいろいろと言われ放題だったバンドが、鋭いロックバンドになっていく転換点を、今まさに目撃している気がする。 (有本早季)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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