【知りたい】ヤングスキニーはこの5曲を聴いてハマれ!

【知りたい】ヤングスキニーはこの5曲を聴いてハマれ!
むき出しの想いをそのまま歌にし、とてつもない共感を呼んでいるのがヤングスキニーだ。シンガーソングライターとして活動していたかやゆーがSNSを通じて呼びかけ、その楽曲に導かれるようにメンバーが集まり、結成されたのが2020年8月。かやゆーの実体験に紐付いてふと降りてきた言葉から歌詞を綴るため、当初はそのストレートすぎる歌詞にコンプレックスもあったというが、凄まじい浸透力で瞬く間にその名を轟かせ、確固たる存在感を誇るまでになった。彼らは他にない視点で描かれるラブソングが注目されがちだが、日常の様々な場面に寄り添ってくれる楽曲も増えてきている。今回はそんな中でも底知れぬポテンシャルを感じさせ、バンドのステップアップにも繋がった選りすぐりの5曲を紹介したい。社会の矛盾に押し潰されそうになったとしても、そんなあなたを肯定し、支えてくれるだろう。(ヤコウリュウジ)


①世界が僕を嫌いになっても

結成からわずか4ヶ月で発表され、その約1ヶ月後に公開されたMVがSNSでも大きな話題となったのがこの“世界が僕を嫌いになっても”であり、ヤングスキニーのデビュー曲でもある。儚げなメロディで語りかけるように歌い、演奏やシンプルなアレンジからは初々しさも感じるが、その素朴さがむしろいい。離れていってしまった君を強く想い、後悔を滲ませながら《君のためなら/死んでもいいかな》と歌いつつも《そんなの口先だけだけど》と続け、日常にある矛盾を的確に描写。さらりと流されてしまうようなきれいごとを歌うのではなく、痛みも悲しみも強がりもさらけ出すヤングスキニーらしさがこの段階からしっかりと形つくられていることがわかるだろう。

②東京

ヤングスキニーは女性視点の恋愛をモチーフにすることも多いが、これは自分のダメさ加減をあげつらいながら生きづらさを歌う“憂鬱とバイト”と同じく、自分視点の楽曲になっている。都会に飲み込まれて変わっていく友人に触れ、様々な葛藤を抱えたかやゆーの実体験をベースにしつつ、ただそれでも前を向きたいと願うロックバラードだが、決してカタルシスではないのが特徴。《人混みの波に飲み込まれていた/心も感情も全て忘れてきた》と苦悩を吐露しながらも明るい未来にたどり着くのではなく、そうなって欲しいと思う段階でとどまっているのだ。急に大丈夫だと言われても混乱してしまうし、感情移入もしにくい。あくまでリアルを射抜くヤングスキニーだからこそ呼び起こせる共感がある。

③本当はね、

2022年10月にリリースされた2ndシングルであり、片思いに踏ん切りをつけたいけどなかなか前へ進めない、という女性の心の機微を綴った歌詞がリリースから瞬く間もなく大注目され、継続的にバイラルチャートを席巻。MVの再生回数も1000万回を突破するほど伸び続け、次世代を担う存在からシーンの顔役にまで押し上げる代表曲となった。《あなた好みの可愛い女になりたいわ》と思いながらも自分の素直な気持ちをぶつけられず、気恥ずかしさや臆病さを自覚しながらも踏み出せない。好きだからこそ相手の気持ちを汲み取ってしまい、最後には《本当はね、私気づいてほしかったの》と願いをこぼす切なさ。そういった感情の揺れと重なるようにバンドアレンジも展開し、より響くアプローチになっている。

④らしく

2023年2月にリリースされたメジャーデビューシングル曲であり、《僕は僕だ僕は僕だ僕は僕だ/僕は僕でしかないんだ》と叫び、周囲に左右されることなく自分らしくありたいと宣言する、ライブでも人気の高いロックチューン。同じく自分視点で書き上げた“東京”では戸惑いをこぼしていたのに対して、“らしく”では力強く《いつか僕は誰もが/羨むバンドになってやる》と軽快なメロディーで歌い、強烈にバンドとしての決意表明を提示している。だからと言ってこのタイミングで書き上げたのではなく、そもそもは友人へのウェディングソングを書こうと思った際、その幸せな状況への嫉妬から反骨心が溢れた結果、自らを奮い立たせ胸を張る楽曲になったというのも彼ららしいエピソード。バンドとしてステップアップし、結果も伴っていることでより説得力も増している。

⑤ヒモと愛

1stフルアルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』の冒頭を飾る曲であり、90年代後半のエモやオルタナティブロックの匂いを漂わせながら飾ることも取り繕うこともなく自らの想いを口にするラブソング、と表現すれば美しいけれど、その主人公は《お金はないけどバイトはしたくないんだ》というどうしようもないバンドマン。ただ、その揺るぎなさには簡単に否定できない強さがあり、《あなたのことを歌って/あなたのことだけ考えてる》というまっすぐな物言いに頷いて受け入れてしまう。この不思議と魅了されてしまう感覚はヤングスキニーならではのもの。また、このフルアルバムの最後を締めくくる“ごめんね、歌にして”は、本人いわく意図的ではなかったということだが、“ヒモと愛”と同じ世界観のその後の物語が描かれているようでもあり、合わせて聴くことによってまた想像が膨らむはずだ。

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