カバーやファンアートが出回っていることから、このMVは、曲の内容という聴覚面においても、またアニメーションという視覚面においても、多くの人々を魅了することに成功したのだと考えられる。ここで注目したいのはACAねの歌声だ。透き通った彼女の声はどの音域も聴き取りやすく、歌詞をはっきり伝えることができる点は物語性の強い曲の内容を伝えるうえでの大きな長所と言えるだろう。特に高音域における、思いきり張った時のハイトーン/少し息を抜いたようなファルセットを自然と切り替える歌唱法が見事だ。情感豊かな表現は、MVに登場する鋭い目つきの少女とリンクしているため、映像の中の少女がまるで意思を持って動いているかのように見える。そのため、フレーズとフレーズの間のブレスにまで、私たちはつい心を奪われてしまうのだ。今月に入ってから、ずっと真夜中でいいのに。の動きはさらに加速した。まず、10月2日に第2弾MV“脳裏上のクラッカー”が公開された。この曲はボーカルと映像は変わらずACAねとWabokuが担当しているが、編曲は100回嘔吐によるもの。ここで、ずっと真夜中でいいのに。は曲に合わせ制作者を替えることのできる、流動的なクリエイター集団なのでは?という可能性が出てきた。
さらに同日、1stミニアルバム『正しい偽りからの起床』を11月14日に発売すること、来年1月11日に「1st LIVE 〜まだ偽りでありんす。〜」を開催することを発表(※8/29に完全抽選制のシークレットライブを行なっているため、実質2度目のライブ)。10月6日には、スタッフによるTwitterアカウントが開設された。このようにして、ずっと真夜中でいいのに。の正体は少しずつ明らかになっていくのだろうか? 今後の展開に注目だ。(蜂須賀ちなみ)