【知りたい】来月には武道館公演を敢行する話題騒然のヒップホップクルー、BAD HOPとは?

《川崎区で有名になりたきゃ/人殺すかラッパーになるかだ》
間違いなく2018年の日本のヒップホップシーンにおける最強のパンチラインはこれだろう。
全員が川崎出身の8人のMCから成るヒップホップクルー、BAD HOPの勢いが、とにかくものすごい。ここ数年で右肩上がりに注目を集め、来る11月13日には、若き日本のヒップホップアーティスト、しかも大所帯のクルーとしては異例中の異例とも言えるスピードで日本武道館公演を「敢行」する。この武道館公演を発表したのは、8月18日に新木場STUDIO COASTにて開催されたZeebra主催のヒップホップイベント「SUMMER BOMB 2018」のライブ中だった。
実に痛快なのは、BAD HOPはその前日に自身のTwitterオフィシャルアカウントで10月に開催予定だった川崎と大阪のワンマンライブの中止を発表。突然のアナウンスだったため多くのヒップホップヘッズがざわつき、「解散か!?」あるいは「メンバーの誰かが逮捕されたのか!?」などの声がSNS上で散見された。そのうえで翌日のライブ中に武道館公演を急告するのだから、世間を手玉にとるラッパーのアジテーションでありエンターテインメントとして完璧なやり方だった。そうだ、4月のZepp Tokyo公演ではステージに2階建ての家を設置(!)してみせたりもした。そう、このクルーの辞書に中途半端とか手加減の文字はない。

なぜBAD HOPはここまで急速に求心力と推進力を増大させているのか? 川崎の工業地帯で生まれ育ち、問答無用の不良だったメンバーがヒップホップと出会ったことで成り上がれるということを、どこまでもリアルなままに体現し紡ぐマイクリレーの説得力。それは日本にもリアルなゲットーがあり、そこで暴力による負の連鎖に絡め取られていた若者たちが、音楽によって本当の意味で救われたことを証明する。もちろん、そのうえで音楽的にも非常に刺激的で、トラップ以降の最新のビート=USのヒップホップトレンドに極めてコンシャスな重低音を震わすビートに乗る8人8様のハードなフロウは他の追随を許さない迫力と気高さを誇っている。それを知らしめる決定打となったのが、昨年9月にリリースされた2ndアルバム『Mobb Life』だった。

冒頭に引いたパンチラインは、今年6月にリリースされたEP『BAD HOP HOUSE』のリード曲“Kawasaki Drift”でT-Pablowがキックしているものだ。『フリースタイルダンジョン』の初代モンスターとして彼のことを知ったという人も多いだろう。双子の兄、弟・YZERRとともにBAD HOPの中心人物であり、2人は2WINというユニットも組んでいる。
まずは、今すぐサブスクにアクセスし、“Kawasaki Drift”を聴いてみてほしい。好きか嫌いかは別にして、何も残らないということは絶対にない。(三宅正一)
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