【知りたい】WANIMAの「ライブ会場」と「お茶の間」をまとめて笑顔にしてしまう特別な力について

【知りたい】WANIMAの「ライブ会場」と「お茶の間」をまとめて笑顔にしてしまう特別な力について


10月の宮崎・鹿児島に続いて、この12月には自主企画「1CHANCE NIGHT ~来年は戌年!! ワンワン吠えて、ワンチャンばい!!~」を長野(12/7)、富山(12/9)、東京(12/19)と3ヶ所で開催予定のWANIMA。さらにその後には、「unBORDE Xmas Party 2017」(12/23)やCOUNTDOWN JAPAN 17/18(出演日は12/28)、そして『第68回NHK紅白歌合戦』待望の初出場を控え、年明け1月17日(水)にはメジャー1stアルバム『Everybody!!』(エビバデ)のリリースがスケジュールされている。


ライブ会場とお茶の間をまとめて笑顔にしてしまうWANIMAの本領が、いよいよ発揮されたこの2017年。武道館もすっとばしていきなり2万人を動員し、さいたまスーパーアリーナで行われた「初の」ワンマン=「JUICE UP!! TOUR FINAL ONEMAN」といい、3rdシングル『Gotta Go!!』(ガラゴー)収録曲3曲がいずれもCM曲として抜擢された経緯といい、人々がWANIMAの歌を渇望する状況が具体的に目に見える形となった。新作『Everybody!!』から先行配信された“ヒューマン”は、バンド史上初のTVドラマ(『刑事ゆがみ』)主題歌としてオンエア中だ。

WANIMAの大規模な成功はデビュー当初から強く期待されていたものの、実際にライブの現場で、またお茶の間レベルで、その規模感の大きさに触れるとあらためて驚かされる。何か大変なことが起きそうだという強い予感はあっても、具体的に何が起こるかという部分まではなかなか想像できないものだ。WANIMAの成功の理由として、3人の絶やさぬ笑顔やユーモラスな喋り、またアパレルブランドLEFLAHがバックアップするカラフルでお洒落なビジュアルといった要素はもちろん大きいだろう。でも、最も重要な理由はやはり、WANIMAの音楽そのものにあるのだと思う。

恐るべき情報量のミクスチャー感覚の中から突き抜けてくるグッドメロディと並んで、WANIMAの音楽の根幹を成しているのは、KENTA(Vo・B)の綴る歌詞である。遠回しだったり難解だったりする言葉は極力排しながら、しかし情景や心の浮き沈みをつぶさに捉え、メロディのフックと完璧に同調する爆発力を備えている。ファストなパンクやクリスピーなラップの中でも、しっかりと意味の伝わる思いを投げかけてくる。完璧に音楽的な響きをもった言葉でありながら、「読み込みたい」言葉でもあるということ。それがKENTAの歌詞だ。

これは、才能だけでは絶対に成立しない、彼のソングライターとしての弛まぬ努力の賜物である。WANIMAの歌を聴いていると、KENTAがなかなかステージ上で見せることのない、眉間に皺を寄せるような真剣そのものの表情で歌詞を綴る姿を、思い浮かべることがよくある。PIZZA OF DEATHからの最初のミニアルバム『Can Not Behaved!!』に触れたときからずっとそうだった。一口にストレートな歌詞と言ってみても、音楽に乗せられた「響く言葉」を書き続けることは容易なことではない。KENTAは才能豊かなメロディメーカーでありパワフルなシンガーであり、そして人知れず苦悩する優れた作詞家なのである。

もう一点、WANIMAの音楽の飛距離と精度を支えるものに、大きなライブ会場の音響が挙げられる。一昔前と比べると、もともと音楽向けのライブハウスやホールではない大きなサイズの会場も、かなり音が良くなった。もちろん、音響機器メーカーやPAエンジニアたちの新たな技術開発のおかげである。一方でWANIMAのすごいところは、「そういう時代に生きている」ことに自覚的だったことであり、自分たちのやっているスリリングな音楽を大会場でプレイすることもできる、と判断したことである。パンクだからライブハウスでやるべき、という固定観念から解き放たれていたのだ。


3月のさいたまスーパーアリーナでは、敢えてアコースティック編成でじっくりと演奏する場面もあった(カバー含め曲の良さが際立っていた)ものの、やはり華やかな演出の数々が仕掛けられた大きなステージで、WANIMAの音楽が本来あるべき形で届けられたことが素晴らしかった。新作『Everybody!!』を携え2018年2月から始まるツアーも、ライブハウス、ホール、アリーナと、さまざまな規模のステージが予定されている。彼らは、ライブ音響が向上する時代を味方につけてしまった。ライブとお茶の間を一繋ぎにする揺るぎない作風にも、少なからず影響を与えているはずだ。

つまり、WANIMAはパンキッシュなまま、スリリングなまま、ライブ会場でもお茶の間でも、あらゆる場面で多くの人々と向き合うことができるバンドなのである。大音量とともに耳に飛び込む確かなメッセージも含めて、WANIMAの音楽が多くの人々の耳に触れ胸を揺さぶるようになったことは、時代の必然だ。どれだけロックの歴史を知っていても、ここから先にある未来は誰も知らない。WANIMAはその未来を切り開いている。今日、そんな彼らの姿を追えるということは、とてもラッキーで幸せなことだ。(小池宏和)

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