元メンバーの高橋久美子が作詞を手がけた“砂鉄”も、聴いているだけで思わず背筋が伸びるような凛とした表情でラストアルバムに感動的なドラマを添えた。「完結」を前にした時、橋本はたくさん歌詞が書けたといい、福岡はその逆だったという。チャットモンチーとして今、何を鳴らすべきか?歌うべきか?をずっと考え続けてきたふたりだからこそ、それぞれの心情もわかる気がする。福岡が唯一、作詞を手がけている“裸足の街のスター”は民族調のビートに乗ったチャットモンチーのロードムービーのような1曲に仕上がった。そしてラストに収録されたのはアコースティックギターの音色も美しい“びろうど”。この曲は橋本が作詞を手がけ、彼女の息子さんによる愛らしい歌声も入っている。スリーピースバンドとしてデビューしたチャットモンチーだが、ここまで大胆な変貌を遂げたラストアルバムをリリースするなんて誰も予想しなかったし、それでもチャットモンチーとしての音楽の芯の部分は何も変わっていないのだと確信できる作品になっている。かつて“東京ハチミツオーケストラ”で夢を鳴らした女の子たちはいつの間にかそれぞれの人生を歩んでいて、そんな側面も刻みながら進化し続けたチャットモンチー。彼女たちの物語を音楽を通じて聴かせてもらったことはこの時代を共に生きたことの愛おしさであり喜びだ。ラストアルバムを『誕生』と名付けたチャットモンチーの、これが終わりなのではなく、ここからなのだという想いを受け取った。チャットモンチーのバンドとしての生命力は永遠に私たちの心の中に、そして音楽の中に生き続けるはず。これが最後の作品だけれど、その新しい息吹を感じ取りながら聴いてもらいたい。(上野三樹)
【知りたい】チャットモンチー「完結」までの軌跡と、ラストアルバムが『誕生』になった理由
2018.06.26 19:00
元メンバーの高橋久美子が作詞を手がけた“砂鉄”も、聴いているだけで思わず背筋が伸びるような凛とした表情でラストアルバムに感動的なドラマを添えた。「完結」を前にした時、橋本はたくさん歌詞が書けたといい、福岡はその逆だったという。チャットモンチーとして今、何を鳴らすべきか?歌うべきか?をずっと考え続けてきたふたりだからこそ、それぞれの心情もわかる気がする。福岡が唯一、作詞を手がけている“裸足の街のスター”は民族調のビートに乗ったチャットモンチーのロードムービーのような1曲に仕上がった。そしてラストに収録されたのはアコースティックギターの音色も美しい“びろうど”。この曲は橋本が作詞を手がけ、彼女の息子さんによる愛らしい歌声も入っている。スリーピースバンドとしてデビューしたチャットモンチーだが、ここまで大胆な変貌を遂げたラストアルバムをリリースするなんて誰も予想しなかったし、それでもチャットモンチーとしての音楽の芯の部分は何も変わっていないのだと確信できる作品になっている。かつて“東京ハチミツオーケストラ”で夢を鳴らした女の子たちはいつの間にかそれぞれの人生を歩んでいて、そんな側面も刻みながら進化し続けたチャットモンチー。彼女たちの物語を音楽を通じて聴かせてもらったことはこの時代を共に生きたことの愛おしさであり喜びだ。ラストアルバムを『誕生』と名付けたチャットモンチーの、これが終わりなのではなく、ここからなのだという想いを受け取った。チャットモンチーのバンドとしての生命力は永遠に私たちの心の中に、そして音楽の中に生き続けるはず。これが最後の作品だけれど、その新しい息吹を感じ取りながら聴いてもらいたい。(上野三樹)