【知りたい】ハルカミライの小細工なしの圧倒的パフォーマンス、歌、楽曲は必ず音楽シーンを席巻する

【知りたい】ハルカミライの小細工なしの圧倒的パフォーマンス、歌、楽曲は必ず音楽シーンを席巻する
今、日本で最もアツく、カッコよく、ものすごい勢いでメインストリームへ駆け上がっている新鋭バンドがいる。ハルカミライだ。初のメジャーリリースとなったアルバム『永遠の花』の発売が2019年1月16日。それから約1年後、2019年12月8日(日)には幕張メッセ国際展示場1ホールにてワンマンライブが予定されている。いや、ちょっとマジでありえないスピード感だ。しかし彼らの歩みや音楽性を深掘りしていくと、激烈な支持を集める理由が見えてくる。というわけで、以下つらつらと書き殴っていきたい。

まず結成は2012年。バンド名の由来はUNLIMITSの“ハルカカナタ”という曲だ。八王子のライブハウスを中心に活動し、『八王子NOW』という潔すぎるタイトルのコンピCDにも、2014年と2015年に参加している。また同時期、RO69JACK 14/15に“ハローグッバイ”で応募しており、現在もウェブで試聴可能。この曲はとにかく胸がキュンキュンするセンチメンタルな歌モノという感じで、要するにまだパンク要素は少ない。彼らの走行速度がハネ上がったのは2016年だろう。現編成となり、大阪のレーベルTHE NINTH APOLLOへ所属することが決まった年だ。そして翌2017年2月に初の全国流通盤『センスオブワンダー』を、同年11月にアルバム『星屑の歌』を発売。その後シングル2作を経て『永遠の花』へ続く。

ハルカミライの音楽において、最もすげえのはやはり歌だ。もっと言うとノンビブラートであること。甲本ヒロト奥田民生もそうだけれど、ノンビブラートのパワーボーカルというのは、つまり熱量の一点突破。したがってその力強さがズドーンとダイレクトに伝わってくる。が、小手先の抑揚でごまかせない分、言うなれば「ロックの神様に愛されたシンガー」にしかできない歌い方なのだ。そういう意味で橋本学(Vo)は、前述のセンチメンタルな部分と、心の底を震わせて全身に力をみなぎらせて「うおおおっ!!!!」っと拳を突き上げたくなるアツいところが同居した、不思議な声の持ち主なのである。加えてその両方を、合唱という形で、バンド全体でブーストしているのが彼らの強み。ノンビブラートっていうのも合唱のしやすさにひと役買っている。『センスオブワンダー』の1曲目“君にしか”からその特徴は前面に出ていて、制作を重ねるごとにどんどん合唱の割合が増えている。“エース”(『永遠の花』収録)なんて橋本ひとりで歌っているところのほうが少ないくらいだ。でもそのおかげで、聴いているこっちもいつの間にか引き込まれ、気づいたら大声を張り上げてしまう……そんな歌の万有引力がとにかくバカデカい、というのが最大の長所なのだ。


また彼らのルーツを考えるとき、例えば“アストロビスタ”(『センスオブワンダー』収録)の歌詞にその名が出てくるTHE BLUE HEARTSだったり、STANCE PUNKSといった青春パンクは外せない。しかしircleの河内健悟(Vo・G)は、自身のオフィシャルサイトに掲載された対談企画で、橋本学にこう語っている。「ハルカミライを見て、ブルーハーツ好きだったっしょって言う大人とかもいると思うんやけど、そうじゃないところがいっぱいあって。一筋縄ではいかない。だから面白い。他のそうじゃないバンドは、だから面白くない。そんな感じ。武器は青春パンクやと思うけど、他にもいっぱいある」。そう、ほんっとその通りだと思う。『永遠の花』だけを切り取っても、全然速くない、バラードっぽい“冬のマーチ”だって、R&Bテイストの“それいけステアーズ”だってある。衝動爆発タイプの曲にしても、経過音の入れ方なんかは今の音楽だなあってところがいっぱいある。要するにハルカミライとは、既存のパンクとかロックの枠に収まる存在じゃない。それどころか、テレビやラジオ、映画館、カラオケとか、いろんなところで曲が鳴り響くポピュラーミュージックの領域へますます進出していくはずだ。でもそれはパンクとかロックじゃなくなるって話ではなく、それらをアップデートしていけるってこと。どう転んだってバンドであることに変わりはない。むしろバンドの未来を背負って立つだけのポテンシャルを秘めてるぜ、とはっきり断言しておきたい。


とは言え、大多数の人間へ向けられた歌詞ってわけじゃ全然ない、ということを最後に触れておく。《マイガールフレンド 側に/いられるようにこの世の全部/作ったんだよ 運命も奇跡も/風も街もなにもかも》(“世界を終わらせて”/『永遠の花』収録)、《あいつのことなら俺が/ぶっ飛ばしといてやるから/ぶっ飛ばしといてやるから/気にしてるんなよ》(“ファイト‼”/『星屑の歌』収録)。例えば1万人のリスナーがいたとき、1万人に1回歌うのではなく、たったひとりに向けて1万回歌う。世界全体に叫ぶのではなく、ひとりの世界へ全身全霊で言葉を投げかける。そういう歌詞だからこそ、ひとりひとりのみんながもう生きる糧レベルまでグッときてしまう。言わば逆転の大衆性を備えているということ。だからライブハウスであっても、幕張メッセであっても、ハルカミライはきっとハルカミライだ。そしてもっともっとデッカい舞台へ羽ばたいていくのだと、本気でそう確信している。(秋摩竜太郎)

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