PIZZA OF DEATH RECORDS主催のフェス「SATANIC CARNIVAL'19」2日間の初日(6月15日)。そこで通称・サスフォーことSuspended 4thのライブを観て、横っ面をぶん殴られたような気分になった。個々の演奏力の高さはもちろん、時に一枚岩のカタマリと化して襲いかかり、時にフリーキーに飛翔するアンサンブルの妙に惹き付けられた。特に後者の部分、メンバー4人が壮絶に絡み合うセッションパートには背筋がゾクゾクする興奮を覚えた。観る者に擦り寄るよりも、一切媚びないスタンスに彼らの美学を感じ取った。
サスフォーはKazuki Washiyama(G・Vo)、Seiya Sawada(G)、Hiromu Fukuda(B)、Dennis Lwabu(Dr)にて2013年に結成。それ以降は名古屋・栄の路上を中心に活動し、昨年はストリートミュージシャンが一堂に会した「Street Musician Summit」まで開催した。そんなユニークなキャリアも、サスフォーのタフなロック観を形成している気がしてならない。
そして今月、前述したフェスのオーガナイザーでもあるレーベル「PIZZA~」から1stミニアルバム『GIANTSTAMP』を発表。本作を聴いて、ブルース、ジャズ、グランジ、ファンク、ポップス、ハードロックなど豊かな音楽的背景を持ちつつ、その向こう側に突き抜けんとする爆発力漲るエナジーに驚いた。バキバキのスラップベースを軸に、緊張感漲るバンドアンサンブルが冴え渡る“97.9hz”はその象徴的ナンバー。その丁々発止の演奏には、まだ見ぬロックの可能性をとことん追求してやろう、という気概に貫かれている。また、50秒という長い導火線(イントロ)を経て、爽快な歌心を浴びせる“ストラトキャスター・シーサイド”のギャップ感にも鮮烈な衝撃を食らった。かと思えば、“ヨンヨンゼロ”ではシンガロングせずにはいられない歌もの路線の楽曲まで用意され、一筋縄ではいかない個性を発揮しているのだ。
屋根のないストリートで育った彼らの音楽は、既に年齢や性別、ジャンルを超越したロック本来の生命力や躍動感がギュウギュウに詰まっている。本作を聴いたら、是非ともライブハウスに直行してもらいたい。(荒金良介)
【知りたい】ストリート発・Suspended 4thとは何者か? 「嘘偽りの無い音楽」で鳴らす魂の叫び
2019.07.29 18:25