【知りたい】形のないもので世界を幸福で満たすNulbarich(ナルバリッチ)の全貌とは?

【知りたい】形のないもので世界を幸福で満たすNulbarich(ナルバリッチ)の全貌とは?
「アネッサ」の新CMソングが話題となっているNulbarich
昨年に続き「SUMMER SONIC」や、JAPAN JAM 2018、「METROCK 2018」、「ARABAKI ROCK FEST.18」など、今年も春から夏のフェスへの出演が続々と決定しており、その存在感を増していることは言うまでもない。

本日3月7日(水)にはビクター洋楽レーベルから2ndフルアルバム『H.O.T』をリリース、同作を携えて3月14日(水)から行われる全国ツアーは全公演が完売し、追加公演も発表されている。

次々と名を広めているNulbarich。そのバンド名を聞く機会が多くなったが、アーティスト写真はイラストで、メンバーの全貌も謎なこのバンドについて、興味を抱いている人も多いと思う。
そこでここでは、Nulbarichについて解説していきたい。


Nulbarichは、シンガーソングライターであるJQがプロデュースするバンドで、2016年に結成。JQはバンドの中心として、ボーカルのほか、作詞・作曲・編曲も手掛けている。なお、クレジットにはJeremy Quartusと記されている。DTMなどを学び、バンドを組みたいと思っていたJQと、もともと付き合いが長く、いつかバンドをやりたいと思っていた理想のメンバーのタイミングが合い、結成された。メンバーは固定ではないが、現在はある程度固定されたメンバーの中から、演奏形態に応じてメンバーを変えているとのことで、あまり形にはこだわっていないという。その時にベストだと思うメンバーを揃えているとのこと。

また、Nulbarich(ナルバリッチ)という名前は、Null(ゼロ、形なく限りなく無の状態)、but(しかし)、Rich(裕福、満たされている)から作られた造語であり、形あるものが全てではなく、形の無いもの(SOUL、思いやりや優しさ含めた全ての愛、思想、行動、感情)で満たされている「何も無いけど満たされている」という意味が込められているという。


Nulbarichの音楽は、ファンク、アシッド・ジャズなどのブラックミュージックをベースに、ポップス、ロックなどにもインスパイアされたサウンドである。しかしJQ曰く「あまりジャンルの概念がなく、グラデーションで全部繋がっている気がする」とのこと。また、日本人のポップスであることから「J-POPである」とも。歌詞は、英詞かと思いきや日本語も含まれており、聴いていると耳馴染みも良い。シティポップとも言うのだろうけれど、レイドバックしたゆったりとした楽曲は、まさに日常に溶け込む楽曲だと言える。

また2016年10月リリースの1stフルアルバム『Guess Who?』に収録されているリード曲“NEW ERA”は、HondaのCMに起用され、そこでNulbarichの楽曲を初めて耳にした人も多いだろう。なお、同曲のミュージックビデオは、彼ら初のMVとなった。


これまでアーティスト写真では、JQ含めメンバーの姿が写されたものはなく、キャラクターのイラストがメンバーの代わりとして描かれている。そのキャラクターは「ナルバリ君」。公表されている最初のアー写から前回のものまでは、楽器を持っていたり、人数が5~7人と変遷したりと、メンバーを表していたようだが、最新アー写では、ひとりのナルバリ君のシルエットとなっている。また、これまでリリースしたCDジャケット全てにナルバリ君が登場している。メンバーを固定していないから毎回ビジュアルが違ってしまうので、暫定的にナルバリ君を作ったところ、謎のバンドのようになってしまったが、逆に功を奏したとのこと。
その覆面性により、リスナーは殊更、Nulbarichが鳴らす音楽に雑念なく耳を傾けることになったわけだが、ナルバリ君のキャッチーさはもちろんあるだろうけれど、その音楽性が評価されたからこそ、Apple Musicの「今週のNEW ARTIST」に選出されたり、ラジオのパワープレイになったりと、実力が認められたことは間違いない。だからこそ、結成1年で次々と大型フェスへ出演したり、1stワンマンライブのチケットが即完するなどの偉業に繋がったのだと思う。


冒頭にも書いたが、2018年はまず、ビクター洋楽レーベルに移籍、そして2ndフルアルバム『H.O.T』をリリースする。さらにその新作にも入らない新たな新曲“Kiss You Back”はこれまで星野源サカナクションクリープハイプなどが楽曲を手掛けてきた「アネッサ」のCMソングに決定し、続々とフェスやイベント出演が決定するなど、精力的に露出の場を広げている。
「超えたいものは、2017年のNulbarich」と語るように、最近のMVにはJQ本人が出演するようになったり、ツアーは昨年よりも大きな会場で行うなど、より具体性をもって、Nulbarichは音楽界でも大きな存在となっていくだろう。(中川志織)
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