【知りたい】サバシスターはこの5曲を聴いてハマれ!

【知りたい】サバシスターはこの5曲を聴いてハマれ!
サバシスターの進化が止まらない。なち(Vo・G)、GK(Dr・Cho)、るみなす(G・Cho)という3人で2022年3月結成。シンプルなバンドサウンドの中にポップやパンクをナチュラルに溶け込ませた演奏で瞬く間に頭角を現し、結成した年に「SUMMER SONIC 2022」へ出演。その後もフェスやライブハウスでその名と音を轟かせていく。そして2024年にはPIZZA OF DEATHとマネージメント契約し、3月に1stフルアルバム『覚悟を決めろ!』をポニーキャニオンよりリリースしてメジャーデビュー! その躍進の背景にあるのは、やはり優れた楽曲だ。今回はそこから5曲をセレクト。何気ない日常も素直な発想も、磨けばどんな「特別」よりもキラキラ輝くことを教えてくれる彼女たちに、これからも注目していきたい。(高橋美穂)


①ジャージ

2022年9月にリリースされた1stデモEP『鯖ノ壱』に収録されており、今ではサバシスターの代表曲に成長。サバシスターが結成されたのは2022年3月だから、ずいぶん素早く自分たちの「道」や「色」を見定められたのだなあと、感心せずにはいられない。

《可愛かった君とあのジャージは/知らん誰かに取られたし》という愚痴(!?)と、《このままどっかへ逃げようったって/足は速くないし》という本音。等身大の自分が、ほのかに哀愁漂うメロディで歌われる。そして《嘘つきはどっかで死ぬ》という無邪気にしてドキリとするフレーズや、《地下二階はすぐにソールドアウトするさ/探しものはたいていここで見つかるはずだよ》などのライブハウスを思わせる歌詞からは、彼女たちが大事にしているものが見えてくる。

②タイムセール逃してくれ

2023年3月にリリースされた1st EP『アテンション!!』収録。《タイムセール》なんて庶民派すぎるワードをタイトルに掲げるとは何者だ!?と多くの人が衝撃を受けたに違いない(私も)。しかも「タイムセールに間に合わない」焦りを歌っているのではない、「逃してくれ」って、どういうこと!? 聴いてみると、イントロから切なさがにじみ出てくるメロディで《手に届くものばかりじゃ、世の中/腐って消えてしまうよ》など、幸せな今に抱く危機感を歌っているのだ。結成して、トントン拍子に才覚を発揮しながら、こんな素直に感情を吐露してしまうボーカル・なちのニューヒロイン感に、世間が気づきはじめるキッカケになった1曲。

③サバシスター's THEME

同じく1st EP『アテンション!!』に収録されており、「テーマ」と名づけられている通り、サバシスターのキャラクターを思いっきり表明したような楽曲。冒頭で《ぶりぶりあざとい女にも興味ない》と歌っておきながら、2番では《ぶりぶりあざとい女にほんとはなりたい!》と本音を丸出しに。そして、《ギャンギャン泣いても泣いても泣いても/わたしはわたし》と、かっこつけない素顔も見せてくれる。さらに、軽快なロックンロールの曲調にのせた《いつか絶対報われるはずさ》というフレーズには、聴き手の素顔も受け止めてくれる包容力も表れている。

④覚悟を決めろ!

2024年3月リリースの1stフルアルバム『覚悟を決めろ!』表題曲。切れ味鋭い演奏や疾走感、そして《手首の傷》という衝撃的なワードからはじまる歌詞。確かにサバシスター自身も覚悟を決めたことが伝わってくるような楽曲だ。《どんなに速く走り抜けてもいつかは息が切れて止まる》という、終わり──もっと言えば死を想像してしまうような歌詞を、1stフルアルバムという華々しいはじまりのタイミングで書くなちは、やっぱりただ者ではない。《さみんだろー、僕のこの歌/誰にでもできるとか言われるよ》なんて歌いながら、親しみやすいけれど誰にもできないパフォーマンスを、サバシスターはやってのけている。

⑤ハイエースナンバー

2024年9月リリースの2nd EP『あの夜のはなし』収録。哀愁ただようメロディで、ハイエースでライブハウスを回る様子を描く、ロックバンドらしい楽曲。まっすぐなようでいて、聴けば聴くほどに面白い。ナンバーワンの象徴ともいえる《富士》というワードと、《あの富士を登って見える景色は/同じでいたいな》《あぁ、僕らナンバーワンはいらない》というフレーズ。ナンバーワンになることではなく、共に登ることを大切にしている姿勢が伝わってくる。そして《今夜はここのライブハウスで君に会いたい》と、共に登っていくメンバーにはオーディエンスも含まれているとも感じさせてくれる。変わらず身近な景色を歌いながら、自分だけ、自分たちだけで進むのではなく、みんなを引き連れていくバンドになったサバシスター。その「変わらないまま変わっていく」進化から目が離せない。


『ROCKIN'ON JAPAN』11月号にサバシスターの最新EP『あの夜のはなし』のインタビューを掲載中!
【JAPAN最新号】サバシスターはもっと強く! ツアー23公演完走、全国フェス行脚、向かうはZeppワンマン──バンドの「今」を出し切った2nd EP『あの夜のはなし』完成!
ライブを重ねて、足並み揃って、みんなの考えが少しずつ一緒になってる。 想像してる未来は一緒だから、一緒に歩いていこうって サバシスターは走り続けている。 23公演にも及ぶ「覚悟を決めろ!ツアー」を完走、全国フェス行脚、9月末からまたツアーがスタートし、ファイナルのZepp D…
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