【JAPAN最新号】今、その眼差しに映るものは何か──矛盾だらけの「ロック」とこの瞬間の「リアル」が詰まったヤングスキニーの新作EP『不器用な私だから』をかやゆーが語る

【JAPAN最新号】今、その眼差しに映るものは何か──矛盾だらけの「ロック」とこの瞬間の「リアル」が詰まったヤングスキニーの新作EP『不器用な私だから』をかやゆーが語る

昔とは違う意味で「ロック」って言いたくない。
今はロックに対して自分なりの形があるから

ヤングスキニーが昨年12月にリリースした1曲“精神ロック”で、かやゆー(Vo・G)はこう歌っている──《ロックだ うるせえ》。私は、ここに少なからず複雑な意志を感じ取る。「ごちゃごちゃ言うな。これが俺のロックだ。黙ってろ」という意志と、「何がロックとかどうでもいいんだよ。黙ってろ」という意志。瞬間を吐き出していく彼のスタイルは一見矛盾する感情も混ぜ合わせるし、その両義性や複雑さをも内包して、リアルを私たちに突きつける。そこが強烈に魅力的だ。

そんな“精神ロック”も収録した新作EP『不器用な私だから』が届いた。サウンドからして、かなり生々しさやダイレクトさが増した1作である。今、バンドが剥き出しのモードになっていることがわかる。「やるしかない」という覚悟を感じる。曲については「何も考えていない」と言うかやゆーは相変わらず瞬間を肯定するための理由も言い訳も必要とはしていないし、大胆な断定と、「断定しない」という断定の狭間を漂う感覚も相変わらずだが、自分自身の感性や生き方についても、彼は腹を括っているのだろう。そんな彼の現在地を捉えるべく話を聞いた。その野性的なクレバーさがよくわかる語録である。

インタビュー=天野史彬 撮影=中野敬久
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)


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