【JAPAN最新号】SUPER BEAVER、自らのアイデンティティを見つめ直し、歌うべき言葉と鳴らすべき音を磨き上げた最高傑作『音楽』完成! メンバー全員ロングインタビューとクロスレビューでひもとく特別別冊!

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自分がしっかりしてくればしてくるほど、外的要因にめちゃくちゃ気持ちが左右されるようになってきてるんです。外から入ってくる情報によって自分がめちゃくちゃ変わるのがすごく面白い(渋谷)

2年ぶりに届いたSUPER BEAVERのニューアルバムはその名も『音楽』と題された。『アイラヴユー』『東京』と来て『音楽』。これ以上ないほどに研ぎ澄まされた、本質的なタイトルだ。「SUPER BEAVERとは何か」。『アイラヴユー』も『東京』もその問いに対するそのときどきの明快な回答だったが、ついに彼らはここまで来たのである。

アコースティックツアーやコニファーフォレストでの野外ワンマンなど、昨年のSUPER BEAVERはこれまでやり続けてきたことに加えてこれまでになかった新たな挑戦をたくさんやった。そのふたつを両輪のように回転させながら、いつも以上に忙しく、そして充実した日々を送っていた。結果的にこのアルバムの実に半分を占めることとなったタイアップ曲がその充実ぶりを物語っているが、重要なのはその楽曲すべてが、SUPER BEAVERのテーマソングといっていいほど決定的なものになったということだ。それだけ、彼らは広がり続ける状況に誠実に向き合い続けてきたということだ。

そんなアルバムを彼らは、自分たちが歌ってきたことの芯を今一度刻むような“切望”という楽曲で始め、その芯の部分をさらにアップデートする“小さな革命”という楽曲で終わらせた。その“小さな革命”は「あなた」ではなく《君》に向けて投げかけられる。広がり続ける「あなた」との距離を再設定し、もう一度至近距離で歌うための《君》である。どんなに大きくなろうとも、勢いが増そうとも、SUPER BEAVERがどこに向かい、何を歌うのかは変わらない。『音楽』という大文字のアルバムタイトルは、それを物語っている。

インタビュー=小川智宏 撮影=岡田貴之
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)


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